人事や上司にテンプレのように伝える退職理由と言えば、「一身上の都合」だろう。このほかにも「別の職種に挑戦したい」「家庭の事情で…」など様々な定番の建前が存在するが、では、会社から去る人に最も多い「本当の退職理由」とはいったい何か?
エン・ジャパンが運営する掲載企業数No.1の社員・バイト求人サイト「エンゲージ」はこのほど、同サイト上で「本当の退職理由」についてアンケートを実施し、5,168名から回答を得た。以下、調査結果を紹介する。
1:半数以上が、退職時に「会社に伝えなかった退職理由がある」と回答
これまで退職経験がある4,658名に「退職時に、会社に伝えなかった“本当の退職理由”はありますか?」と質問すると、54%が「はい」と回答した。続けて、伝えなかった理由を質問すると、トップは「話しても理解してもらえないと思ったから」(46%)。具体的なエピソードも紹介する。
【図1】退職時に、会社に伝えなかった“本当の退職理由”はありますか?
【図2】「会社に伝えなかった“本当の退職理由”がある」と回答した方にうかがいます。会社に「本当の退職理由」を伝えなかった理由は以下のうちどれですか?(複数回答可)
■伝えなかった理由に関する、具体的な理由・エピソード
・何も変わらないと思っていたし、辞める決心がついていたため伝える意味がないと思った。(20代男性)
・退職以前の面談で、会社に対する不満を言ったことがあったが聞いてもらえなかったため。(20代女性)
・退職を伝える相手が原因だったので言いたくなかった。(20代女性)
・有給取得を申請したところ、理由をしつこく聞かれたり、威圧的な態度で迫られた経験があり、退職時も同様の態度を取られることに懸念があった。(30代男性)
・パワハラを容認している職場なので、伝えても理解されないと判断した。(30代女性)
・退職代行サービスを使って退職したから。(30代女性)
・取引先企業からスカウトされての退職であったため、企業間で問題になる恐れもあり伝えられなかった。(40代男性)
・ネットで調べた結果、会社と自分にとって円満に退職することがベストであると解釈したから。本当の理由がネガティブな場合、話さないことがマナーであると理解した。(40代女性)
・会社がパワハラを認識していたが、対応していなかったため。(40代女性)
2:会社に伝えた退職理由、第1位は「別の職種にチャレンジしたい」
退職時に、会社に伝えた退職理由を聞くと、「別の職種にチャレンジしたい」が22%で最多となった。
退職時に「会社に伝えなかった“本当の退職理由”がある」と回答した人に、会社に伝えなかった本当の退職理由を聞くと「人間関係が悪い」が46%で最多に。
会社に伝えた退職理由、第1位の「別の職種にチャレンジしたい」(22%)は、本当の退職理由では第9位(6%)。第2位の「家庭の事情」(21%)は、本当の退職理由では第12位(3%)となり、本音とは差異があることがうかがえた。
【図3】退職時に、会社に伝えた退職理由を教えてください。(複数回答可)
【図4】会社に伝えなかった“本当の退職理由”があると回答した方に伺います。伝えなかった、本当の退職理由を教えてください。(複数回答可)
【図5】会社に伝えた退職理由、本当の退職理由(上位10位)