暑くて眠れないとき……やりがちなよけいに眠れなくなるNG行動3選
ところで、いざ寝床についても暑くて眠れない夜もあるかもしれない。そんなときに、やりがちだが、よけいに眠れなくなるNG行動を白濱氏に聞いた。
1.スマホ、タブレットの使用
「暑くて眠れないとき、ついスマホやタブレットを見てしまうことがありますが、ブルーライトがメラトニンの分泌を抑制してしまうだけでなく、いつの間にかスマホの中の情報に影響されて交感神経が刺激されてしまい、余計に眠れなくなります」
2.エアコン設定温度を下げすぎる
「エアコンを使って寝室を冷やすこと自体、夏場は必要ですので問題はありませんが、人間は睡眠中に深部体温が低下するため、設定温度を低くしすぎると、逆に眠りが浅くなることがあります」
3.浴槽に浸からず、シャワー浴で終わらせる
「寝つきが悪いことが習慣化している方は、シャワー浴で終わらせていませんか? 人間は深部体温が低下することで眠気が出現しますが、浴槽に入らないと深部体温調整が上手くいかないことで、寝つきが悪くなる可能性があります」
暑くて眠れないときのおすすめ行動
では、暑くてなかなか寝付けない、途中で目が覚めてしまったなどの場合には、どんな行動をとれば良いだろうか。
1.読書やリラックスできる活動
「スマホやタブレットの代わりに、新聞、雑誌、本を読んだり、音楽を聴きながら、軽いストレッチをしたりするのがおすすめです」
2.エアコンの設定を適温に
「エアコンの設定温度は26℃前後にし、サーキュレーターを併用して空気を循環させると快適な睡眠環境を作れます」
3.暑い夏でも浴槽入浴を
「寝床につく前のことですが、筋肉のこりをほぐし、血流をよくする浴槽入浴は、夏場でもおすすめです。深部体温が一過性に上がり、下がる過程で生まれるスムーズな入眠も期待できます」
夏場はどうしても睡眠の悩みが増えがちだ。そんなときは、ひんやり冷たい氷水出し緑茶を飲み、軽くストレッチをして、寝付きやすい状態を作ってはいかがだろうか。
【取材協力】
白濱 龍太郎氏
医療法人 RESM 理事長、福井大学医学部客員准教授、武蔵野学院大学客員教授、 早稲田大学統合研究機構睡眠研究所招聘研究員、日本睡眠学会指導医、専門医。
筑波大学卒業、東京医科歯科大学大学院統合呼吸器学修了(医学博士)。同大学睡眠 制御学快眠センター等での臨床経験を生かし、2013 年に、RESM 新横浜 睡眠・呼吸メディカルケアクリニックを設立。慶應義塾大学特任准教授、日本オリンピック委員会医科学強化スタッフ、ハーバード大学公衆衛生大学院客員研究員などを兼歴任。社会医学系指導医、睡眠学会専門医、認定産業医を有し、教育、啓発活動にも継続的 に取り組んでいる。
文/石原亜香利