シニアの心豊かな働き方や地域貢献を実現する環境づくりを推進
電通は、国内の約3人に1人が65歳以上の高齢者(シニア)となる2035年(※1)を見据え、社会から必要とされ、役割がある「シニアプレイヤー」(商標出願中)が活躍できる社会を企業・団体などとともにつくる「シニアプレイヤープロジェクト」を2024年8月28日より開始した。
本プロジェクトでは、シニアの心豊かな働き方や地域貢献を実現する環境づくりを行なうほか、「シニアプレイヤー」を応援する情報発信や社会実装の場を提供していく。
※1 内閣府「令和6年版高齢社会白書」より
■プロジェクト誕生の背景
シニアに関する研究やソリューション開発を行う電通シニアラボと、電通と業務提携を結び、シニア向け生活サポート事業などを手掛けるMIKAWAYA21は、シニアが抱える課題を解明するため、2022年より大規模な定量調査や自宅訪問調査などを共同で実施。
調査では、「行動範囲が狭くなった」「退職後、人とのつながりが減った」「人の役に立てない」「最近、孤独を感じる」などの声が聞かれ、社会とつながりたい願望があってもカラダの問題・ココロの問題・キズナの問題に悩んでいることがわかってきた。
一方で、楽しく働き、地域貢献をしているシニアほど、心身ともに元気に暮らしていることから、「社会参加」がシニアの抱える課題解決へのひとつの鍵を握るという結論に至り、シニアの社会参加を応援するプロジェクトをスタートさせることになったという。
<プロジェクトのイメージ図>
■「シニアプレイヤー」とは
超高齢社会を迎えるなか、介護職員らの労働力不足や医療体制問題など、多くの課題が山積。一方で、社会でプレイヤーとして活躍したい人は多く存在している。
そこで同社は、何らかの形で社会に参加し、人に役立つ活動を行う65歳以上のシニアを「シニアプレイヤー」と名づけた。
具体的には、フルタイムやパートタイムとして働く人々や、町内会などの地域活動・ボランティアを行なう人々、趣味を仲間や子どもたちに教える人々など、社会から必要とされ、役割があるシニアのことを指す。
例えば、料理を作る、髪を切る、花をいける、写真を撮る、音楽を奏でる、などを得意とする人々も、社会で活躍する「シニアプレイヤー」といえる。
本プロジェクトが大切にする価値観は、人から必要とされ、周囲から感謝されること。
同社では、「『シニアプレイヤー』が地域の担い手となれば、毎日にやりがいや人との新しいつながりが生まれ、自己肯定感も育まれていくと考えています」とコメントしている。
シニアプレイヤープロジェクトについて
本プロジェクトは、電通シニアラボや、未来創造に取り組む電通の社内横断組織「Future Creative Center」のメンバーらが、「シニアプレイヤー」との接点を持つ企業・団体などあらゆるステークホルダーに向けて推進していく。
シニアインサイトの提供や、クリエイティブを起点とした未来価値創造、メディア各社とのネットワーク、コンテンツを活用した社会課題解決手法など、さまざまな領域における専門性の高いナレッジを生かし、「シニアプレイヤー」の概念をより広く社会に発信。
また、企業や団体とともに「シニアプレイヤー」がいきいきできる社会システムづくりや、「シニアプレイヤー」を育成して担い手が不足する企業とのマッチング、社会実装に向けてのアクションの企画開発、具体的なパートナー連携のサポートなど、「シニアプレイヤー」が社会とのつながりを持ち、活躍できる場を提供するための取り組みを進めていく予定だという。
実施予定のプロジェクトは以下のとおり。
■「銀のマルシェ」2025年春までを目標にスタート
心と身体、そして社会が健やかである状態「ウェルビーイング」を高めるための取り組みなどを番組として放送しているBS朝日とともに、「シニアプレイヤー」が主役となる青空市場「銀のマルシェ」事業をローンチ。2025年春までを目標に「銀のマルシェ」イベントを企画・推進していく。
https://www.bs-asahi.co.jp/ginmaru/
■「ジーバーFOOD」活動を拡大
地域の料理上手なシニア(ジーちゃんバーちゃん)が地域の食材を活用し、手間ひまかけた手作りの料理で地域においしい健康をお届けする「ジーバーFOOD」を、シニアと地域の仕事創出事業を手がけるジーバーと推進して、全国のシニアプレイヤーの活躍の場を創出していく。
https://gbfood.gbaaa.jp/
関連情報
https://www.dentsu.co.jp/news/release/2024/0828-010769.html
構成/清水眞希