スマートフォンやSNSの普及に伴い、誰でも手軽に情報の発信や収集が行える時代となった。
消費者庁が発表した「消費者意識基本調査(※)」によると、様々な情報収集手段がある中でSNSを情報収集目的で活用している人が84.1%と最も多いことから、多くの人がSNSから情報を得ていることがわかる。
このことから、企業はSNSやインターネット上にある悪評やクレームなどの書き込みが事業に悪影響を与えないよう、適切なレピュテーションマネジメントを行い、社会からの評判を維持・向上させる必要があると言える。
これらを背景として、アラームボックスは、AI与信管理サービス「アラームボックス」の提供を通して得た膨大なネット上の口コミから、インターネット上で悪評・クレームが多い業種やその口コミの傾向を定点調査している。
この度、アラームボックスは、10,750社を対象に、2024年上半期にSNS等インターネット上で投稿された各企業に関連する口コミや評判の中から悪評・クレームを抽出し「2024年上半期 インターネット上で悪評・クレームが多い上位10業種」を集計したので結果をお伝えしよう。
2024年上半期の悪評・クレームの業種別ランキング1位は通販を営む「無店舗小売業」
ネット上に存在する口コミ情報などの定性情報を業種別で分析した結果、ECや店舗を運営する小売業、ホテルや旅館等を運営する宿泊業、美容医療やエステなど美容関連の業種に悪評・クレームが多く発生していることが判明。
その他には鉄道や通信といったインフラに関わる業種や、飲食店にクレームが頻出していたので、上位5業種の詳細を紹介しよう。
1位 無店舗小売業:1社あたりの平均悪評・クレーム数:5.54件
過去の調査に引き続き、通販事業を専門とする無店舗小売業が1位となった。多くの事業者がネット上で複数のECショップを運営しており顧客との接点が多いことから、ネット上の悪評・クレームの平均件数が連続して首位となっている。
クレームの内容としては、商品について問い合わせた際の対応の遅さや、発送のトラブルに関するものが多い傾向にあった。2024年問題によるドライバー不足で配送の遅れや混乱が発生していると予想される。
また、多くのECサイトにはレビュー投稿欄があり、その分クレームの件数が増えることを念頭に置き、レピュテーションマネジメントを行う必要がありそうだ。
〈無店舗小売業の悪評・クレーム頻出単語〉
2位 宿泊業:1社あたりの平均悪評・クレーム数:4.03件
前回の調査に引き続き、需要が急速に回復している宿泊業に対して悪評・クレーㇺが多く発生しており2位となった。約半数のクレームが部屋に関するものであり、設備面の古さ、臭い、清掃の不備などに不満が発生している。
朝食を中心に食事に関する言及も多くなっており、味についてだけでなく、バイキングの導線や提供方法に関して不満を持った投稿も散見された。
また、リピートで利用した顧客が、前回利用した際に受けたサービスと比較してクオリティが低下したと感じている投稿が多く、コロナ禍で変化したオペレーションや、昨今の物価高の影響を懸念する声が多くなっていた。
〈宿泊業の悪評・クレーム頻出単語〉