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三菱電機とカワダが家電や玩具の廃プラスチック再利用に向けた共同研究を開始、おもちゃショーに家電由来のリサイクル玩具を出展

2024.08.27

三菱電機とカワダは、三菱電機グループの家電リサイクル事業で長年培ってきた技術を活用して、家庭などから廃棄されるプラスチックの回収・リサイクルの推進に向けた共同研究を開始した。

なお、本共同研究の取り組みの一環として「東京おもちゃショー2024」(2024年8月29日~9月1日、於:東京ビッグサイト)に家電由来のリサイクル材から試作した玩具の共同出展と、家庭内で不要となった玩具の回収を実施(※1)する。
※1 回収は8月31日~9月1日のパブリックデーのみ実施

身近にあるプラスチックを再利用することで持続可能な社会に貢献

日本政府は2019年5月に「プラスチック資源循環戦略」を策定し、2035年までに使用済みプラスチックを100%リユース・リサイクルなどにより有効利用する目標を掲げている。

また、世界的な化石燃料産業からのダイベストメント(※3)により、バージンプラスチックのサプライチェーンが破綻するリスク(※4)が指摘されている。
※3 石油や石炭などの化石燃料を取り扱う企業から投資資金を引き揚げる動き
※4 出典:資料2_サーキュラー・エコノミー及びプラスチック資源循環のリスクと機会について (env.go.jp)

このような背景から、様々な企業が循環型社会の実現に向けたプラスチックのリサイクルに取り組んでいる。

現在、日本においては、回収された廃プラスチックのうち半分以上がサーマルリサイクル(※5)として利用されているが、プラスチックを有効活用するためには、廃プラスチックを回収するためのスキームを整え、マテリアルリサイクルにより資源に戻し、製品原料として再利用することが重要だ。
※5 ごみを燃焼した際に発生する熱を回収してエネルギーとして再利用する方法

■両社が保有する知見を融合、環境に配慮した技術開発と業界を超えたリサイクルプロセスの確立を目指す

また、資源をリサイクルするには、物流などで排出される温室効果ガスやコストを考慮し、国内で資源を循環させることが望ましいと考えられている。

一方、リサイクルプラスチックを外観デザインに使用する場合には、異物の出現や樹脂自体の色のばらつき、強度不足などのさまざまな課題解消も不可欠でもある。

三菱電機は、グループ内で家電リサイクル事業を行っており、同社の統合デザイン研究所において、リサイクルプラスチックの質感を活かした材料開発とCMF(※6)の研究を行なっている。
※6 Color、Material、Finishの略で、製品デザインにおける色、素材、仕上げの3つの要素を指す

カワダは、食用に適さない古米や破砕米を原料とした日本発のお米の環境素材「rice resin(※7)」を使用したDIABLOCK(ダイヤブロック)「OKOMEIRO(オコメイロ)」の製品開発を行なっており、サステナブルな取り組みの実績や知見を有している。
※7 廃棄される米をプラスチックへとアップサイクルしたバイオマスプラスチック

今回、三菱電機とカワダは、家庭内で不要となったプラスチックを回収して、資源としての活用に向けたプラスチックリサイクルの共同研究を開始した。

暮らしに身近な存在である家電と玩具に関して、両社が保有する知見を融合することで、環境に配慮した技術開発と業界を超えたリサイクルプロセスの確立を目指し、持続可能な社会の実現に貢献していく。

画像はイメージです

共同研究の主な特徴

■玩具由来プラスチックの組成を調査し、新たな適用先製品と必要となる技術開発項目を検討

・「東京おもちゃショー2024」にて、不要となった玩具の回収を実施
・玩具由来プラスチックの組成を調査することで、リサイクルプラスチックとして、家電や玩具を含めた新たな適用先製品の検討や課題を抽出
・家電製品とは異なる種類のプラスチックや品質のばらつきを有する玩具に対して、高品質な選別を実現するための技術開発項目を検討

■家電由来のリサイクルプラスチックを原料として試作した玩具の受容性を調査

・カワダが保有する「rice resin」などのサステナブルな新素材を使用した製品化実績の知見を活用し、三菱電機独自の高度選別技術を用いた家電由来の高品質なリサイクルプラスチックを原料とする「MEGURIIRO」をDIABLOCKにて試作
・三菱電機が保有するリサイクルプラスチックの材料開発やCMF研究の知見を活用し、リサイクル材特有の色味を活かした自然な色彩とすることで、暮らしに馴染む玩具を追求
・「東京おもちゃショー2024」にて「MEGURIIRO」をはじめとするリサイクル材製の玩具の受容性を調査

共同研究の概要

期間/2024年8月6日~2025年3月31日
内容/不要となった玩具のプラスチックリサイクルに関する組成調査・選別技術開発項目の抽出・受容性調査などの実施、業界を超えたリサイクルプロセス確立の検証
役割分担/
三菱電機:
・不要となった玩具の回収・管理、プラスチック選別・リサイクルプロセスの検討
・玩具由来リサイクルプラスチックによる家電の試作製造
カワダ:
・リサイクルプラスチック(家電由来・玩具由来)による玩具の試作製造

■今後の予定・将来展望

「東京おもちゃショー2024」での受容性調査などを踏まえ、多種多様な用途でのリサイクル材の適用拡大の推進に向けて、共同研究を進めていく。2025年3月を目途に、回収したリサイクルプラスチックの物性調査を完了し、新たな適用先製品の検討開始を目指す。

関連情報
https://www.mitsubishielectric.co.jp
https://www.diablock.co.jp

構成/清水眞希

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