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「デプロイ」と「ビルド」「リリース」との違いとは?

2024.09.17

「デプロイ」は英語で「常駐」や「配置」などを意味する言葉。システムに関連するビジネスシーンで使われる表現だが、正しい意味や使い方を理解せずに使っている人も少なくないはず。

そこで本記事では、「デプロイ」の意味や、ビルドやリリースとの違いを解説する。デプロイを実施する際のポイントや手法も、ぜひこの機会に確認しておこう。

デプロイとは

まずは、「デプロイ」の正しい意味を解説する。ビルドやリリースとの違いとあわせて参考にしてほしい。

■プログラムを本番環境に配置して利用可能な状態にする作業

デプロイとは、システム開発の最終段階でプログラムを本番環境に配置し、利用可能な状態にする一連の作業を指す。もともとデプロイは英語で常駐や配置を意味する「deploy」を由来として使われるようになった。

通常、システムを開発する際、開発環境やテスト環境で検証されたアプリケーションを、本番環境へと移行させることで実際のユーザーが使用できるようにする。デプロイは、これらリリース工程の一部として実行される。

デプロイの具体的な内容としては、稼働中のアプリケーションを停止し必要なファイルをAWSなどから借りたサーバーに配置して、サーバーの再起動後に動作確認を行う作業が挙げられる。

■ビルド・リリースとの違い

ビルドとは、プログラミング言語で書かれたソースコードをコンピュータが理解できる実行ファイルに変換するプロセスを指す。例えば、プログラミング言語であるJavaのソースコードを命令コードであるバイトコードに変換する作業が例として挙げられる。

一方、リリースとは、完成したシステムやアプリケーションを一般ユーザーが利用できるように提供を開始することを意味する。デプロイはシステムを本番環境に配置して動作可能にする作業であり、リリースはその後、一般公開してサービスを開始するプロセスである。

このように、ビルドは開発段階の一部、デプロイは本番環境への稼働確認、リリースは公開とそれぞれ異なる役割を担っている。

デプロイを実施する際のポイント

次に、デプロイを実施する際のポイントを紹介する。実際にデプロイを実施することになった場合、適切に行えるようチェックしておこう。

■早く終わらせる必要性

デプロイが完了しないとリリースや動作テストが行えないため、デプロイは早く終わらせる必要がある。デプロイ作業には、ファイル配置やコンパイル、リンクなどといった工程が含まれ、これらが遅延するとプロジェクト全体の進行に影響を与えてしまう。

デプロイを早く終わらせるためには、こまめなエラーチェックやコード構造のシンプル化、明確な手順書の共有が重要だ。さらに、スムーズなチームコミュニケーションや、失敗時のバックアップも欠かせない。

■確実に実行できる環境を整える

デプロイを確実に成功させるためには、安定した環境を整えることが不可欠だ。まず、本番環境を想定したテスト環境を整備し、事前に検証を行おう。また、デプロイ作業を自動化することで、手作業によるミスを防いでスムーズに作業を進められる。自動化すると、日時や状況に関わらず安定して作業ができ効率的なのが利点だ。

さらに、エラーや不具合が起こった場合に備えて、ロールバック機能を導入しておくことも大切だ。万が一の失敗時にも、すぐに前の状態に戻せるよう、定期的なバックアップを取っておこう。

デプロイの手法とは

おわりに、デプロイの手法を紹介する。デプロイを自社で行うことを検討している場合は、種類ややり方を確認しておこう。

■ブルーグリーンデプロイメント

ブルーグリーンデプロイメントは、現行システムをブルー環境、新システムをグリーン環境として並行運用する手法。問題がないことを確認した後にブルーからグリーンへ切り替えを行い、新しいバージョンはグリーン環境に展開される。

ブルー環境はそのまま使える状態にしておくことで、トラブル発生時には即座にブルー環境へ戻せるため、ダウンタイム(システムなどが停止・中断している時間)を最小限に抑えられる。ただし、2つの環境を同時に運用するため、サーバーリソースが増加しコストがかかる点に注意しよう。

■イミュータブルデプロイメント

イミュータブルデプロイメントは、ブルーグリーンデプロイメントから派生した手法。この手法では、新しいリソースを作成してシステムを更新し、既存のリソースは変更せずにそのまま置き換える。新しいバージョンが正常に動作することを確認した後、旧環境を消去するため、サーバーリソースを効率的に利用できるのが特徴だ。

また、ブルーグリーンデプロイメントと異なり、最終的にシステム環境が一つに統一されるため、運用コストを削減できる。ただし、旧環境には戻せないため、移行完了直後のロールバック手段を準備しておく必要がある。

■シンボリックデプロイメント

シンボリックデプロイメントは、単一のサーバー環境内に旧システムと新システムの仮想環境を用意し、シンボリックリンクを用いて切り替える手法。

シンボリックリンクとは、特定のファイルやディレクトリのパスを保存・使用し、実際にそのパスにアクセスできるもののこと。この方法では、旧システムを稼働させたまま新システムのデプロイが可能で、リソースコストの削減が期待できる。デプロイ作業の自動化が簡単で仮想環境を利用できるため、複数システムの同時運用が可能だ。

■ローリングデプロイメント

ローリングデプロイメントはシステムを複数のサーバーに分割し、順次デプロイを行う手法。例えば、10台のサーバーがある場合ははじめに2台を新バージョンに更新し、問題がなければ次の2台を更新する。このように、サーバーを少しずつ新バージョンへと移行することで、全体のサービスを停止させることなくデプロイを完了させられる。

ただし、新旧のシステムが混在する期間が生じるため、間違ったバージョンのデプロイを防ぐための作業状況の共有が必要だ。

※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。

文/編集部

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