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社内ルールはどこまで必要?「自由な会社」に勤めるメリットとデメリット

2024.08.26

社内はできるだけ「自由」であった方が良いと考えがちですが、物事を正しくとらえるためには多面的な物事のとらえ方が必要です。「自由」のメリットばかりに目が行きがちですが、同様にデメリットが無いのか注意することは欠かせません。自由な会社のメリット・デメリットについて、「自由」とは反対に「制限」のイメージがある「ルール」をテーマに考えていきます。

ルールがないことは自由なのか?

「ルール」=「制限」というイメージが強いため、「ルールがない」=「自由」とイメージする方は多いのではないでしょうか?それは果たして本当でしょうか?確かにルールがない場合はルールが多い場合よりも「制限」が少なくなることは事実です。しかし「ルール」がないことが「自由」と同義であるのでしょうか?ルールがない状態ではどのようなことが起こるのか考えていきながら、「ルール」と「自由」の関連について明らかにしてきます。

ルールが無ければ、皆が自分の価値観を優先して行動をすることになるでしょう。皆が他者の自由を無視して、自分の自由を優先するようになればトラブルが起こる可能性が高まります。実はルールがない方が問題を大きくするのです。ルールがない中でトラブル解消を行おうにも、お互いが主張しあい、堂々巡りになり、結論が出ることはありません。ルールがない状態は「自由」どころか、反対に「問題」や「ストレス」が発生させるのです。自分にとっては「自由」であっても、他人にとっては「制限」に感じることが起こります。法律(ルール)がない場合を考えてみるとよくわかります。いろいろな犯罪が起こる可能性が高まり、犯罪の防止や取り締まり、解決が出来ない状況となることは容易に想像できるでしょう。このことから考えても「ルールがない」=「自由」とは言えないのは明らかです。ルールが無ければ、相手の自由を無視したり、奪ったりすることも「自由」になってしまうからです。

本当の自由はルールの中に存在する

本当の自由とはルールの中に存在します。ルールがあるから秩序が保たれるのです。世の中の全ての人が自由に行動したら世の中はどうなるでしょうか?間違った思考を持った状態や正しい判断が出来ない状態の人、勘違いしている状態の人が自由に行動をとった場合どのようなことが起こるか考えてみてください。つまりみんなが「自由」であることは「危険」な状態に陥ります。ルールがあり、皆がそれを守るとそのルールの範囲内では「安全」な状態を維持することができます。つまり、ルールの本当のメリットは「安全」であり、ルールの無い状態は「危険」なのです。

ルールのメリットである「安全」について考えていきます。ルールという共通認識があれば、トラブルが少なくなります。無駄なコミュニケーションも減っていきます。長年連れ添った者同士の「あうん」の呼吸の様なイメージです。反対に共通認識がないと、トラブルが発生し、トラブルを解消するためのコミュニケーションが必要になります。トラブルが頻発したり、大きくなったりすると感情のぶつかり合いも発生し、大きなストレスを生み出すことになるのです。全てのコミュニケーションが必ずしも良いとは言えません。共通認識の無い状態でのコミュニケーションは堂々巡りとなり、反対に大きなストレスとなります。そもそもルールがない状態は「自由」とは程遠い状態であることを認識するべきでしょう。

会社に必須のルールとは?

当然、会社にもルールは必要です。代表的なルールとして上げられるのは就業規則、評価制度などです。これらのルールが無ければ、どういうことが起こるでしょうか?遅刻や欠勤をしても誰も注意をすることは出来ません。チームで仕事を行うことが会社の性質である以上、仕事の成果は上がりにくくなるでしょう。また昇格、昇給がどのように評価されて、査定されるのかというルールが無ければ、将来をイメージしづらく、長期的に働く意欲も維持できなくなっていくでしょう。評価や査定の基準が曖昧であったり、上司の好き嫌いで決まったりする会社もありますが、評価や査定のルールを機能させる上で、出来るだけ明確であることも重要です。

また、会社というチームとして活動する上で、共通認識を作るべき領域にルール設定が必要です。共通認識の無い領域で問題が発生し、問題解決のためのコミュニケーションが発生します。時に感情同士のぶつかり合いに発展し、組織活動のスピードを停滞させることになります。チームとして活動していく上で、ルール設定するべき領域としては仕事の進め方や顧客対応に関わるルールやマニュアルが該当します。会社や上司への報告ルールや部門間のコミュニケーションルールなども必要です。さらには社員には会社のルールは守らなければいけないという意識は重要です。会社のルール違反は組織行動を停滞させることに繋がるからです。ルールを意識できない人は社会から認められません。何故なら人は一人で生きていけないからです。そのためには会社側も社員に対してルールを明確に設定して守ることを求めていく事も重要です。確かにルールが多すぎることやルールに不備があることは「制限」となる場合はあります。必要に応じてルールを削除、修正してくことも必要でしょう。

まとめ

自由な会社のメリット・デメリットについて、「自由」とは反対の「制限」がイメージのある「ルール」をテーマに話してきました。本当の自由はルールの中に存在するため、結論として、会社にはルールが必要です。会社においてルール設定する上で押さえるポイントは以下の通りです。

1「ルールがない」=「自由」ではない
2「ルールがある」=「安全」である
3会社にはルールが必要である
4会社のルールは守らなければいけない
5会社側も社員にルールを守ることを求めていく

皆がルールの無い状態で「自由」に活動することは他者の「自由」を侵害することになります。ルールがあることが「安全」な状態であり、ルールがない状態は「危険」と言えます。組織活動を行っていく上で、共通認識にズレが発生する領域には、無駄なコミュニケーションや感情のぶつかり合いが発生しない様に、あらかじめルールを設定することが必要です。また会社というチームで活動していく以上、会社の構成員である社員は会社のルールを守ることが求められます。ルールを守れない社員は会社から認められることはありません。会社側も社員に対してルールを明確に設定して守ることを求めていく事も重要です。

文/識学

この記事はマネジメント課題解決のためのメディアプラットホーム「識学総研」による寄稿記事です

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