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「お願い致します」と「お願い申し上げます」正しいのはどっち?

2024.10.04

「お願い申し上げます」を使う場面

「お願い申し上げます」を使う主な場面は以下のとおりです。

  • メールでお願いするとき
  • 年賀状での挨拶

それぞれの内容を解説します。

メールでお願いするとき

「お願い申し上げます」は、ビジネスメールで丁寧に何かをお願いする際に用いられる表現です。ややかしこまった表現であるため、目上の方や取引先へのビジネスメールによく使われます。

たとえば、会議の出席を依頼する際は「次回の会議にご出席賜りますようお願い申し上げます」、資料の送付を依頼する際は「資料をご送付いただけますようお願い申し上げます」などと記載します。

ビジネスメールでは、相手に強く願う気持ちをあらわす、「何卒」とセットで使われることも少なくありません。「どうぞ」や「ぜひとも」も同じような意味を持ちますが、いずれも口語表現のため「お願い申し上げます」にはあまりマッチしません。そのため、何卒が使われることが多いと考えられます。

具体的には、「何卒ご調整くださいますよう、お願い申し上げます」や「ご多忙の中恐縮ですが、何卒よろしくお願い申し上げます」のように使います。

年賀状での挨拶

「お願い申し上げます」は、年賀状での挨拶にもよく使われる表現です。目上の方やビジネスでのつながりがある相手に対して、敬意を込めた挨拶をするのに適しています。

年賀状では、まず「謹賀新年」や「恭賀新年」などの「賀詞」を書いた後、新年の挨拶や日頃の感謝の気持ちを述べることが一般的です。その際、「お願い申し上げます」を添えることで、相手に対する敬意と今後も関係性を維持していきたいといった気持ちを伝えられます。

たとえば、以下のように用いることが多いといえるでしょう。

  • 旧年中は大変お世話になり、誠にありがとうございました。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます
  • 謹んで新年のお慶び申し上げます。毎々格別なお引き立てに預かり厚く御礼申し上げます。皆様のご期待に応えるべく本年も精進してまいる所存です。変わらぬご愛顧の程よろしくお願い申し上げます

また、年賀状の挨拶では「賜(たまわ)りますようお願い申し上げます」という表現も多く用いられます。「賜る」はもらうの謙譲語で、与えるの尊敬語にあたります。相手に何かをもらいたい、あるいはしてもらいたいときに使う言葉です。「本年も変わらずご愛顧を賜りますようお願い申し上げます」などと使いましょう。

「お願い致します」と「お願い申し上げます」の類似表現

「お願いいたします」や「お願い申し上げます」と同様に、丁寧に何かを依頼する際に用いられる類似表現には、以下のようなものが挙げられます。

  • お願いできますと幸いです
  • お願いしたく存じます
  • ご一考いただけますと幸いです
  • お頼みいたします
  • 希望いたします

それぞれの特徴や使い方などを見ていきましょう。

お願いできますと幸いです

「お願いできますと幸いです」は、「お願いができれば幸せです」という意味で、自分の願いを丁寧に伝える表現です。「幸い」は、「幸せ」や「ありがたい」という意味の謙譲語です。相手への敬意はもちろん、置かれている状況への気配りや柔らかさが含まれています。

柔らかい表現であり相手への負荷が小さい反面、緊急性が高い依頼には向いていないことに注意が必要です。緊急性が高い依頼に関しては、「お願いいたします」や「お願い申し上げます」を用いたほうが効果的といえるでしょう。

また、話し言葉よりもメールでの文章などに馴染みやすいことも特徴です。さらに丁寧に伝えたい場合は、「お願いできますと幸いに存じます」と伝えましょう。

【例文】

  • 請求書の発行をお願いできますと幸いです
  • 次回の出張の手配をお願いできますと幸いです
  • 新しいプロジェクトに向けた準備をお願いできますと幸いです

参考:デジタル大辞泉

お願いしたく存じます

「お願いしたく存じます」は、お願いしたいと思う気持ちをより丁寧にあらわします。「存じる」は、「思う」「考える」の意味の謙譲語のため、自分の立ち位置を下げてへりくだりつつも、「できれば要望を聞き入れていただきたいのですが」と柔らかく伝えます。

「存じます」を口語で使うことは少ないといえるでしょう。そのため、「お願いしたく存じます」はメール等の書き言葉で用いられることが多いです。また、やや堅い表現であることから、目上の方にあてたメールや形式的な文面で使うのに適しています。

丁寧に依頼をしたいからという理由で同僚や部下など身近な相手に使用すると、他人行儀な印象を与えてしまう可能性があるため、状況や相手との関係性を考慮して使うようにしましょう。


【例文】

  • 契約書の内容確認をお願いしたく存じます
  • お手数をおかけしますが、ご記名をお願いしたく存じます
  • 新規事業を順調にスタートさせるため、皆様の協力をお願いしたく存じます

ご一考いただけますと幸いです

「ご一考いただければ幸いです」は、「考えてみてほしい」という投げかけを行い、相手に判断してもらうようにお願いする表現です。「一考」とは、一度考えてみることを意味する言葉です。相手に対して極力プレッシャーを与えないように配慮し、自由に判断してもらいたいときに使用します。上司や取引先などに、提案事項を示したうえで意見を聞きたいときに使うとよいでしょう。

「~いただければ幸いです」という表現は、相手にプレッシャーを与えにくい点がメリットです。しかし、その分「急いで返事をしなくてもいいだろう」「やらなくてもいいだろう」と感じさせてしまう可能性があります。

さらに、「一考」自体が「一度考えてみること」という意味であり、比較的ライトなニュアンスであるため、急ぎの案件や重要度の高い依頼については使わないほうが無難でしょう。

【例文】

  • 新規のマーケティングプランについて、ご一考いただけますと幸いです
  • 来月の会議の議題に関して、ご一考いただけますと幸いです
  • 当社のサービス改善に向けたアイディアをご一考いただけますと幸いです

参考:デジタル大辞泉

お頼みいたします

相手に敬意をあらわし、へりくだった立ち位置で依頼をする際は、「お頼みします」を使用することも選択肢の1つです。「頼み」は、「頼むこと」「依頼すること」「頼りにすること」などを意味し、尊敬語の「お」と丁寧語の「ます」をつけることで、目上の方にも使える表現となっています。

口語で使用するとやや芝居がかった印象を与えかねませんが、手紙やビジネスメールなどで目にする表現といえます。

【例文】

  • 大変恐縮ではございますが、資料の送付をお頼みいたします
  • 〇〇の件、ご連絡いただけますよう、お頼みいたします
  • 広告文のチェックをお頼みいたします

希望いたします

「希望いたします」は、自分の要望やお願いを相手に丁寧に伝える際に役立つ表現です。「希望」とは、あることの実現を望み願うことを意味する言葉であり、「する」の謙譲語である「いたします」を使うことで、相手に敬意を示しながら丁寧に依頼する表現になっています。「希望します」のみでは敬意を伝えることが困難なため、「いたします」をつけることがポイントです。

【例文】

  • 契約期間の延長を希望いたします
  • メリットを考慮して、A案を希望いたします
  • 次回のミーティングの開催を希望いたします

「お願い致します」と「お願い申し上げます」を理解する

「お願いいたします」と「お願い申し上げます」は、いずれも相手に何かを丁寧に依頼する際に使うフレーズです。大きな違いはありませんが、より丁寧に依頼するときは「お願い申し上げます」のほうが適切といえるでしょう。

表記で注意が必要なのは、「お願いいたします」という表現です。動詞の後の補助動詞「いたす」は、ひらがな表記をするのが基本です。漢字ではなく、ひらがなで書くように意識しましょう。また「よろしく」をつけ加える場合、「宜」には訓読みがなく「宜しく」は当て字であることから、「宜しくお願いいたします」ではなく、「よろしくお願いいたします」と書くのが正解です。

依頼する際やビジネスメールを締める際に使うほか、「お願いいたします」は初対面の挨拶、「お願い申し上げます」は年賀状での挨拶にも用いられます。「お願いいたします」と「お願い申し上げます」のニュアンスの違いや正しい表記を理解して、ビジネスシーンで適切に使用できるようにしましょう。

 

構成/橘 真咲

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