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「蓋然性」とはどういう意味をもつ言葉?

2024.10.07

『蓋然性』という言葉を聞いたことはありますか?その意味をきちんと説明できる人は少ないかもしれません。意味や定義を解説するとともに、例文も交えて紹介します。言葉の意味を正しく理解することで、物事の可能性を的確に捉えられるようになるはずです。

蓋然性とはどのような意味を持つ?

蓋然性とは、ある事柄が起こり得る可能性の高さを表す言葉です。特定の学問や業界ではよく使われる言葉ですが、日常会話で耳にする機会は少ないかもしれません。まずは、基本的な意味と定義を見ていきましょう。

■蓋然性の基本的な意味

『蓋然性』とは、『起こりそうな可能性の高さ』を表す言葉です。

ただし、蓋然性はあくまで『可能性の高さ』を表すもので、100%断言できるわけではありません。

例えば「身体状態や現場のブレーキ痕から、彼の死因は交通事故によるものであった蓋然性が高い」と言っても、本当に原因が交通事故だったかどうかは断定できないのです。もし多数の目撃者やカメラの映像によって明確に原因が特定できる場合には、交通事故であったと断定されます。

蓋然性の使い方と具体例

ビジネス会議

(出典) pixta.jp

蓋然性は、どのようなときに使われるのでしょうか?具体的な使い方を解説します。蓋然性を使った例文や、英語で蓋然性を表現する方法も確認しましょう。

■蓋然性の読み方と使い方

蓋然性は『がいぜんせい』と読みます。蓋然(がいぜん)は、明確には言い切れないもののある程度確かであると考えられる状態のことです。

一般的な日常会話では、『可能性』や『見込み』といった言葉が使われるため、会話で使用する機会は少ないでしょう。哲学・統計学・法律などの分野ではよく見かける言葉で、裁判の判例でも使われていることがあります。

『蓋然性がある』と表現する場合、その出来事が起こりそうな可能性が高い状態を指します。反対に、『蓋然性がない』は著しく可能性が低い状態やほぼ起こり得ないことを指します。

■蓋然性の具体的な例文

蓋然性を使った具体的な例文を見てみましょう。

  • 彼がそのような事件を起こす蓋然性はないといえる
  • その構想が実現される蓋然性はほとんどないだろう
  • 彼女の行動が問題のきっかけとなった蓋然性は高い

蓋然性という言葉は、一般的に『ある』『ない』『高い』『低い』といった使い方がされます。蓋然性があるかないか判断するために、何らかの根拠や説明と共に述べられるケースが多いでしょう。

■蓋然性の英語表現

蓋然性を英語で表現する場合、『probability』という単語がよく使われます。probabilityは『起こりそうなこと』『見込み』『確率』といった意味を持ち、物事が起こる確実性の度合いを表すのに適しています。

例えば、『The probability of winning a game(ゲームに勝つ確率)』や、『The statistical probability of love at first sight(一目惚れが起こる統計的な確率)』といった具合です。

特に起こりそうな可能性が高い場合は『high probability』、ほとんど見込みがない場合は『probability~is very small』のような使い方もされます。

蓋然性の類語を紹介

電卓とパソコン

(出典) pixta.jp

蓋然性という言葉の意味を理解するには、類語との比較が役立ちます。それぞれの特徴や蓋然性との違いを見ていきましょう。実際の使用例も交えながら、蓋然性の意味合いをより深く理解できるよう解説します。

■可能性

『可能性』は、ある事象が起こりうる見込みを指す言葉です。例えば、「彼女は大成功を収める可能性を秘めている」といった使い方ができます。

一方、蓋然性は物事が現実になる確実性の度合いを客観的に示す言葉です。つまり、何かが起こり得るであろう主観的な根拠がわずかにでもある場合、『可能性はある』といえます。

蓋然性は、何らかの客観的な根拠に基づいて有無や高低が判断されるのが特徴です。

例えば、特別な検査や診察もなく「おそらく、薬の副作用である可能性は低いでしょう」と診断する場合はある程度個人的な見解です。しかし、「血液検査の結果や症状の特徴から、これが薬の副作用である蓋然性は高い」という言い方であれば、客観的なデータに基づく表現といえるでしょう。

このように、可能性と蓋然性は似ていますが、主観的か客観的かという点で使い分けることが大切です。

■確率

『確率』は、ある事象が起こる可能性の度合いを数値化したものです。例えば、「明日は晴れる確率が70%だ」といった具合に、パーセンテージで表現されることが多いでしょう。

一方、蓋然性は確率と似ていますが、明確な数値がなくても使える言葉です。例えば、「このプロジェクトが成功する蓋然性は高い」と言う場合、具体的な数値はないものの、何らかの根拠に基づいて成功する可能性が高いと判断しているのです。

つまり、確率は数学的・統計的なアプローチで算出されるのに対し、蓋然性は数値化できない判断に基づく言葉だといえます。ただし、蓋然性を使う際も、根拠のない主観的な見解ではなく、客観的な情報に基づいて判断することが重要です。

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