目次
見聞きする頻度が高い言葉でも、正しい意味や同じような表現との違いを把握できていないことは少なくない。「ノンバーバルコミュニケーション」も、そんな言葉の一つだ。「コミュニケーション」が含まれているため、意思疎通の手段を指すのはわかるものの、正しい意味や似たような言葉との違いまでは理解できていない人もいるのではないだろうか。
本記事では、ノンバーバルコミュニケーションの意味やバーバルコミュニケーションとの違い、具体例を解説する。重要性や注意点も、ぜひこの機会に押さえておこう。
「ノンバーバルコミュニケーション」とはどんな意味?
まず、ノンバーバルコミュニケーションの正しい意味から見ていこう。バーバルコミュニケーションとの違いも確認しながらぜひチェックしてほしい。
■意味は言語に頼らないコミュニケーションのこと
ノンバーバルコミュニケーションとは、言語以外の手段で行うコミュニケーション。「言語以外」の例としては、身振りや手振り、表情、声のトーン、香りなど、五感を通じて伝えられる情報が挙げられる。微妙なニュアンスや感情を効果的に伝えられるのがノンバーバルコミュニケーションの特徴だ。
■「バーバルコミュニケーション」との違い
バーバルコミュニケーションとは、言語を用いて行うもの。例としては、会話や手紙、メール、印刷物などがある。対面での会話だけでなく、文字を介したコミュニケーションも含まれるのが特徴だ。つまり、ノンバーバルコミュニケーションとバーバルコミュニケーションではコミュニケーションの方法が異なる。
「ノンバーバルコミュニケーション」の具体例
ノンバーバルコミュニケーションの具体例として、声のトーンや話す速度、動作、顔の表情による意思疎通が挙げられる。声の高さや速さは、自分が相手に与える印象を大きく左右する。高い声で速く話すと緊張感や威圧感を与え、低い声でゆっくり話すとリラックス感を与えられる。
また、腕を広げて話すことで話題のスケールを示し、指差しで方向を説明できる。うなずきや相槌によって理解を示し、姿勢で誠実さを伝えられる。これらも重要なノンバーバルコミュニケーションだ。
なお、顔の表情は感情を伝えるのに有効な手段で、視線や目の動きを含めて多くの情報を伝えられる。例えば、視線を合わせることで興味や信頼感を表現できる。このように、声の使い方も言語以上に重要な意味を持つ。
ビジネスにおける「ノンバーバルコミュニケーション」の重要性
次に、ビジネスでのノンバーバルコミュニケーションの重要性を紹介する。ノンバーバルコミュニケーションを正しく使用できるように、大切さを認識しておこう。
■言語化できないニュアンスや感情を補完する
ノンバーバルコミュニケーションは、表情やしぐさ、声のトーンなどの非言語情報を通じて、言葉だけでは伝えきれないニュアンスや感情を補う。例えば、営業スタッフが自信を示すために胸をたたくジェスチャーをすれば、顧客に安心感を与えられる。一方、暗い表情と小さな声で話すと顧客に自信のなさを感じさせてしまう。このように、非言語情報はコミュニケーションの質を大きく左右する。
■安心感を与えて信頼関係を構築する
ノンバーバルコミュニケーションを効果的に活用することで、相手に安心感を与え、信頼関係を築ける。例えば、会話中に笑顔やうなずきを取り入れることで相手が話しやすくなったり、明るい表情や微笑みを意識することで言葉を発さなくても安心感を与えられたりする。
■相手の胸中や状況を理解でき洞察力が向上する
相手の状況や感情を理解するために、ノンバーバルコミュニケーションは効果的な手段だ。非言語情報は相手の感情や体調の変化を反映するため、感じとれれば相手の状況を理解しやすい。例えば、体調が悪いと感じている人は、言葉で元気を装うことができても、顔色や声のトーンなどに不調が表れる。このような細かい変化に気づけると、相手を気遣って適切に対応できる。
「ノンバーバルコミュニケーション」を応用する際の注意点は?
最後に、ノンバーバルコミュニケーションを応用する際の注意点を紹介する。ビジネスシーンで相手に対して失礼な振る舞いをしないよう、ぜひ覚えておこう。
■大袈裟なアクションを控える
コミュニケーションでは身振りや手振りが重要だが、オーバーなリアクションは逆効果になることがある。過度なジェスチャーは不自然に見え、相手に嫌悪感を抱かせる可能性があるからだ。とくに、ビジネスシーンでは適度で控えめな動作が求められることが多い。例えば、商談をするシーンでは、落ち着いた動作のほうが信頼感を高められる。相手の反応や状況に応じて、適切なアクションを選ぼう。
■それぞれの文化に合った表現を行う
文化によってノンバーバルコミュニケーションの意味合いが異なることがあるため、注意が必要だ。例えば、親指を立てるサインに関して、ある国では肯定的な意味を持っていたとしても、別の国では侮辱的な表現と受け取られる場合がある。日常的に使用するジェスチャーが、特定の文化においては無礼とされることもある。そのため、異文化間の良好な関係構築のためには、相手の文化背景を理解した上で、その文化に適したジェスチャーや表現を柔軟に実践するのが良いだろう。
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。
文/編集部