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脱どんぶり勘定!お金の管理が苦手なフリーランスが実践すべき4つのこと

2024.08.16

将来出ていくお金を見通す力をつける

預金通帳を見たり、記帳をしたりして日々の現金の動きが把握できるようになったら、将来のお金の動き、少なくとも1年くらいのお金の動きが見通せるようにしましょう。もちろん、正確な売上の予測を立てることはできませんが、これができるようになると、事業を法人化した場合でも経営者としての能力がぐんと上がります。フリーランスでも経営者でも、ビジネスの舵を切る船長はあなたです。現状をみて将来を予測し、航路を決めていく必要があるのです。

会社員時代なら毎月25日に給料が振り込まれていることが多かったと思いますが、フリーランスになったら、毎月同じ日に一定額が振り込まれることはありません。取引先によってさまざまな期間の支払いサイトがあり、実際の振り込み日が予想より遅いことに戸惑った経験がある方も多いのではないでしょうか。

将来のお金の動きを考えるうえで必須になるのがこの「入金のズレ」です。仕事が終わって納品も完了して、請求書を発行してから入金されるまでの時間が数ヶ月に及ぶなど、いわゆる「長い支払いサイト」があるケースです。この場合、手元にあるお金の予測がつきにくいです。

一般的には「月末締め、翌月末払い」という取引先が多いですが、中には60日後、あるいはそれ以上になるところも多いようです。仕入れや人件費などの支払いがほとんどないビジネスをしているフリーランスならあまり問題はないかもしれませんが、月々の支払いが多いビジネスをしていると、この入金までの期間が長くなるほど資金繰りが苦しくなる原因になります。

連続して同じくらいの金額の仕事が続くのであれば、お金は回せるようになるかもしれませんが、フリーランスの仕事はそう簡単に行かないケースも多くありますので、入金と支払いのタイミングをしっかり把握しておくことが大事です。

・この仕事はいくらで、請求はいつ出して、その入金はいつになるのか?
・仕入れ先への支払いはいつまでにしなければならないか?
・光熱費やクレジットなどの引き落としは、いつでいくらになるのか?
・今後、いつどんな税金の支払いがあるのか? など

これらはすべて「将来のお金の動き」に関わります。フリーランスであれば、仕事の進行スケジュールはしっかり把握していると思いますが、それと同じぐらいに入金と出金のスケジュールを頭に入れておくことが大事です。

実際、後から来る税金の支払いを忘れていたために、その金額にびっくりしてしまう人は多いです。日々のお金の動きと将来の税金の支払いのスケジュールを把握していれば、おおよそでもお金の動きの予測をつけることができ、そのための準備もできます。

カンタン資金繰り表で可視化する

ビジネスの口座に入出金を一元化させておくと、通帳を見ればおおよそのお金の流れがつかめますが、それだけだと「将来入ってくるお金」「将来出ていくお金」がわかりません。そこを視覚化したものが「資金繰り表」になります。

資金繰り表は、主に企業が資金不足にならないように現金の支出予定をまとめたものです。売上が増えてくると、入金が増えるだけでなく支出や払うべき税金も増えてくるので、利益が出ているのに支払いに必要な資金が不足し、「黒字倒産」という笑えない事態になるケースも多々あります。

個人のフリーランスで作っている人はあまりいないかもしれませんが、売上が増えて支出も増えたり、人を雇ったりしている人は作成してみるといいでしょう。

資金繰り表の特徴は次の3つです。

・現在のお金のあり高がわかる
・将来の入出金が予測できる
・予測と実績とのズレを確認できる

本格的な資金繰り表はかなり複雑になるので、実際には簿記会計の知識がないと作成できないでしょう。そこで、ここではフリーランス用に比較的単純化してまとめた資金繰り表を紹介します。カメラマンのAさん用に作った資金繰り表です。

資金繰り表はあくまでこれからのお金の動きを予測したものです。となると実際にどうなったかの振り返りがあったほうが次につなげられます。できれば月末に実績を書き入れてみるといいでしょう。

文/廣岡 実
ひろおか みのる。税理士法人TOTAL神田事務所所長 / 税理士。1959年生まれ。神奈川県出身。明治大学商学部を卒業。大学卒業後、大手商社に就職。会社員として経理・総務部門の実績を積む。税理士であった父親の病気をきっかけに退職し、父の税理士事務所で修行。1995年、税理士資格取得と同時に「税理士廣岡事務所」を設立。2024年1月より税理士法人TOTALのパートナーとして合流し、神田事務所所長となる。「みんなが儲けてほしい」をモットーに顧客の立場に寄り添ったきめ細かいアドバイスが人気を集め、各種フリーランスや中小企業の顧客を増やす。ファイナンシャルプランナー(AFP2級)の資格も持ち、お金の知識、経営のノウハウを月一度のレターで25年以上顧客に発信し続け、「先生のおかげで起業できた」「事業が拡大した」という声も多い。

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