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時価総額は絶頂期の1割以下の水準に、マクアケの業績が低迷している3つの理由

2024.08.16

市場が拡大しづらいことが最大の成長阻害要因か?

マクアケが立て直しに苦心する理由は3つあると考えられます。1つ目はマクアケのような体験・購入型クラウドファンディングが、特にコロナ禍の反動を受けていること。2つ目は世の中に出る前の0次流通市場にはマスという概念が通用せず、市場が拡大しづらいこと。3つ目はマクアケが上場しているために利益が重視され、成長に向けた絵を描きづらいことです。

①コロナ禍で成功したクラファンは一握り

コロナ禍のクラウドファンディングで大成功を収めた事例があった一方で、陽の目を見ずに終わった事業者は数多く存在します。クラウドファンディングで出資者を集めることは、プロジェクト担当者に相応の負担がかかります。その成果が得られないとなれば、稟議は通しづらくなるでしょうし、担当者のモチベーションが失われるでしょう。

フリマアプリは「思っていたよりも高く売れた」という成功体験が得られやすいものですが、クラウドファンディングで成功した人は一握り。1回目で挫折した人を再びプラットフォームに引き入れるのは容易ではありません。

②市場の規模

現在、マクアケは0次流通を盛り上げようとしています。これは商品が世の中に出る前のテストマーケティング市場。マクアケには15分でスピード冷却できるポータブル冷蔵庫や、ライセンス不要で海に潜ることができる小型酸素ボンベなど、小売店やAmazonのようなECサイトでは見かけない斬新な商品が多数掲載されています。マニアや真新しいものが好きな人には、確実に刺さりそうなものばかりです。

しかしながら、こうした商品がマス層に受け入れられるかといえば話は別。

マーケティングの世界では、新たなサービスや商品を最初に購入するマニア層は全体の2.5%、情報感度の高い人は13.5%ほどと言われています。0次流通市場はこの層へは適合しやすいでしょう。その一方で、そこから先のマス層には浸透しづらいと言えます。

③上場企業であること

そしてマクアケは上場しているという一番のハードルがあります。

7月30日の決算発表会では、通期業績の下方修正に至った理由、広告宣伝費を含む販管費は今後も減らせるのかといった、株主の利益に直結する鋭い質問が目立ちました。

上場している以上、株主還元を優先するのは当然。しかし、コストを極限まで削ってGMVを伸ばす策を封じられることにもなります。

マクアケが扱っている商品が、世の中をアッと言われる革新的なものであることは間違いありません。広告費を抑制すれば、それが知られることなく草葉の陰に隠れてしまうことにもなります。

このジレンマを打開する、抜本的な一手が必要とされているのかもしれません。

文/不破聡

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