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時価総額は絶頂期の1割以下の水準に、マクアケの業績が低迷している3つの理由

2024.08.16

クラウドファンディング業界をけん引していたマクアケが、業績の低迷に苦しめられています。

7月30日に2024年9月期通期業績の下方修正を発表。売上高を3億円引き下げ、36億円に改めました。

今期は増収予想を出していましたが、下方修正によって減収へと一転。3期連続の減収がほぼ確定的なものとなりました。

コロナ禍で好調だったにもかかわらず、なぜ勢いを失ったのでしょうか?

時価総額は絶頂期の1割以下の水準に

マクアケは期首の売上予想を前期比3.0%増の39億2500万円としていました。しかし、第3四半期の時点で売上高は27億3100万円、進捗率は69.6%。7割にも届いていません。

計画への遅れから、通期予想の引き下げを行いました。

決算短信より筆者作成

クラウドファンディングはコロナ禍で活況となりました。飲食店や宿泊施設、水族館、動物園など集客に苦戦した事業者がこぞって押し掛けたためです。消費者も自宅時間が増えたためにクラウドファンディングの情報を目にする機会が増え、真新しさや困難に陥っている人を救済したいという思いから、資金を投じる人が増加しました。

マクアケは2020年9月期の売上高が前期の2.4倍となる32億2500万円、2021年9月期が1.4倍の46億2100万円に急成長します。

しかし、2022年9月期に減収に転じると、そのまま勢いを失いました。

マクアケの上場日は2019年12月。初日の終値は2980円で時価総額は326億円でした。絶頂期の2020年に時価総額は1000億円を超えました。2024年8月8日は60億円ほど。株価は469円で終えています。

広告費を大幅に削減して赤字幅を縮小

マクアケのビジネスにおいて、もっとも重要なのがGMV。流通取引総額のことで、プラットフォーム内で取引される売上合計額です。マクアケは集まった金額の20%を手数料として徴収する仕組み。プラットフォームを活発化し、出品者と購入者を結びつけることで課金へと至ります。

このGMVが伸びません。2024年9月期は通期でGMVを188億4500万円と予想していました。これは前期を7.0%上回るもの。しかし、第3四半期の進捗率は67.1%。売上高と同様に計画を改め、165億800万円に引き下げています。この数字は前期を6.3%下回るもの。

マクアケは2期連続で営業損失を出しており、今期も赤字を予想しています。ただし、赤字幅は縮小しており、2023年9月期は4億8900万円の損失。2024年9月期は9700万円まで圧縮する見込みです。

コストコントロールを効かせているのです。

主な削減対象となっているのが広告宣伝費。2024年9月期3Q単体の広告宣伝費は1億2000万円で、前年同期間比で4割以上も削減しました。

決算説明資料より筆者作成

しかし、広告宣伝費の削減は、GMVにもマイナス要因として働きます。3QのGMVは前年同期間と比べて1割以上減少しました。

広告費に比してGMVの縮小が抑えられているのは、マクアケのリピーターやファンの存在があるためでしょう。今期は広告宣伝費を四半期で1億円台まで落としています。

それでもGVMの減少幅が抑えられた実績は、経営側にとっては大きな収穫だったに違いありません。コストコントロールを効かせる余地があることを証明したからです。

しかし、これは諸刃の剣とも言えるもの。新規ユーザーが集まらなければ、閉じたシステムになって完全に伸びしろを失ってしまうからです。

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