日ごろ防犯対策をしていない人は65%、実施している対策1位は「車にドライブレコーダーを搭載」
日常的に防犯対策を行っているか聞くと65.0%が「対策をしていない」と答えた【図5】。防犯対策をしている人の具体的な内容トップ3は、1位「車にドライブレコーダーを搭載している」(46.9%)、2位「PCやスマートフォンに不正アクセス対策やウイルス対策を施している」(44.0%)、3位「玄関ドアをワンドア・ツーロック(二重鍵)にする、または窓に補助錠を付けている」(42.3%)となった【図6】。
【図5】日ごろの防犯対策の有無
【図6】実施している防犯対策 (複数回答)(n=175)
最近1年で不安を感じた事件・事故は「フィッシング詐欺」が2年連続で1位
最近1年間で不安を感じた事件・事故について聞いたところ、「偽メールや詐欺サイトを通じたフィッシング詐欺」(26.4%)が2年連続で1位になった。「空き巣などの住宅侵入」「特殊詐欺や投資詐欺などによる被害」(いずれも18.4%)も上位となり、金銭に関係する犯罪行為が生活者の日常に不安を与える要因となっていることが推察される【図7】。
【図7】最近1年間で不安を感じた事件・事故(複数回答)(n=500)
解説 セコムIS研究所の研究員・濱田宏彰が対策を紹介
治安の悪化を不安視する人は76.8%となりました。3年連続で増加したものの、昨年より0.8ポイント増の変化にとどまったのはコロナ禍後の反動が落ち着いたものと考えられます。しかしながら、詐欺などの犯罪は高止まりが続いており手口が巧妙化していることから引き続き注意が必要です。
1年で不安を感じた事件・事故では「電動キックボードやあおり運転などの交通トラブル」(19.6%)が2位となるなか、日ごろ防犯対策を実施している人では「車へのドライブレコーダーの搭載」が1位に。不安意識が行動変容を促すとともに、ドライブレコーダーがもしもの時に記録ができる身近なアイテムとして浸透していることが明らかになりました。
帰省や旅行で家を空けるときの防犯対策は約5割が実施していないことが判明しましたが、住宅侵入の約6割は空き巣。家を長期で留守にするとその分、泥棒に狙われるリスクが高くなるため、侵入させない・留守を悟られないための防犯対策が重要です。
長期不在時に実施している対策はドアや窓の「ワンドア・ツーロック」が1位となるものの、26.4%と3割に届かない状況になりました。泥棒は侵入に5分以上かかると犯行をあきらめると言われており施錠は有効な手段です。長期で留守にする際はもちろん、日ごろからこまめな施錠を心がけていただきたいと思います。
■夏休みは「走るカレー」で長期のお出かけも安全・安心に
セコムでは、長期不在時に実施していただきたい防犯対策をまとめた「走るカレー」を考案しました。この夏、帰省や旅行を予定されている方はぜひ「走るカレー」の対策を実施いただき安心してお出かけいただきたいと思います。
ポストに新聞や郵便物などの配達物がたまっていると不在だとわかってしまうため、新聞は配達を止め、郵便物は不在留め置きの手続きを取ると良いです。
夜間はタイマーなどで照明をつけて在宅を装ったり、門扉を常夜灯にすることも人の気配を感じさせることができるので効果的です。
固定電話に電話をかけ、留守かどうかを確認する空き巣もいます。留守番電話の応答メッセージは「〇日まで留守にします」ではなく「ただいま手が離せません」などの内容にするか、自身のスマホに転送する設定にするのが良いでしょう。
防犯の基本ですが、ドアの鍵は確実に掛けましょう。1ドア2ロックにすることで侵入に時間がかかり、犯行をあきらめさせることにつながります。窓は上部に補助錠を。防犯ガラス・防犯フィルムにしておけばなお安心です。
万一の場合に対応が後手に回ってしまう可能性もあるので、親しい隣近所、近くに住んでいる親族の方などに、不在期間や自身の連絡先を事前に連絡しておくのが良いです。
空き巣狙いがターゲットを求めてSNSを検索するケースもあります。旅行先からリアルタイムで投稿をするのは不在を悟られるため、帰宅してから投稿しましょう。
セコムIS研究所
リスクマネジメントグループ 研究員・濱田宏彰氏
シニアリスクコンサルタント/防犯設備士/防災士/日本市民安全学会常任理事
<調査概要>
実施時期:2024年6月21日(金)~6月24日(月)
調査手法:インターネット調査
調査対象:全国の20歳以上、70歳未満の男女500人
調査機関:セコム株式会社調べ【実務委託先:楽天インサイト(2024年6月)】
※構成比(%)は小数第2位以下を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合がある。
出典:セコム株式会社
構成/こじへい
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