生クリーム、電子工作、趣味の掛け合わせで爆誕！ヒット商品の開発担当者に聞いた趣味を活かした情報収集術

初回生産&追加生産分が即完売

貝印『生クリッチ』

8800円

ボタン一つで生クリームを自動でホイップ。USB-C充電式。社内の企画アイデアコンペから誕生し、2023年12月、応援購入サイト『マクアケ』で約1100万円の売り上げ。24年3月の一般販売も即完売し、現在は入荷待ち。

専用カップで攪拌するため周囲を汚さない。本体以外は食洗器可。お手入れも簡単だ。

研究開発本部研究部
次長
小林 甫（はじめ）さん
電子機器、医療機器メーカーを経て現職。長年研究開発畑を歩む。研究職から商品企画を募る同社初の試みで提案し、商品化となった。

生クリームに電子工作、 趣味の掛け合わせで商品が爆誕！

　大学院時代から、疲れると研究室にボウルを持ち込んで生クリームをホイップして食べていたという小林さん。

「好きなものは自然と知識を深められるものですが、私が大事にするのは体験することで得られる一次情報です。今回の商品もホイップする際に常々抱いていた不満から生まれました。時間がかかったりクリームが飛び散ったりするのが嫌で。解消する商品が市場になかったため、チャンスと考えました」

　他にもプログラミングや電子工作など多くの趣味を持ち、各々を深く掘り下げている。これが成功の鍵に。

「『生クリッチ』の最大の特徴は、生クリームが適度な固さになると自動的に止まること。これは液状とホイップされた状態とでモーターへの負荷、すなわち電流値が異なるという原理を応用したアルゴリズムを用いています。趣味で得た知識と経験があったからこそ思いついた点でした」

　日頃から趣味を探している小林さん。

「探すというスタンスだと同じものを見ても得られる情報が増えます。さらに『体験』を通じて熱量も加わるので、自分だけの情報として話せます」

取材・文／百瀬康司

※本記事内に記載されている商品やサービスの価格は2024年6月30日時点のもので変更になる場合があります。ご了承ください。

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