観て触って感じてもらう!美術解剖学モデルというお仕事
海斗さんが美術解剖学モデルを始めたのは2017年。芸大生の授業に加え、ゲームやアニメ制作会社などに招かれて講義することもあるとか。
また、全国各地に赴き、一般市民や絵に興味を持つ子どもたちのためにワークショップも開催している。
――海斗さんの講義の特徴は?
「知る>観る>触る>描く。このサイクルで絵をマスターしていくことです。「知らないものは観えない、観えない物は描けない」、「手で持ってみるという体感が無ければ脳では本当に分かったことになっていない」。従来、日本では描くというスキルばかりに関心が集中していましたが、その前に「知る、観る、触る」という3つの段階があった方が正しい認知に結び付きます。私が主催するセミナー『海斗LIVE』ではこの3つのプロセスを実習する講座になっています」
――美術解剖学モデルとして心掛けていることは?
「美術解剖学には長い歴史があり、巷にはたくさんの資料や書籍があります。しかし、私は2次元の資料ではなく、3次元の生身の身体で教えることによって初めて解剖学は美術というアウトプットにつながると思っています」
「そのためには、自分の身体も3次元的に凹凸が明確でないと説得力がありません。「いま解説したことは目の前のボクの身体で見えているよね」とエビデンスベースで示せる身体を保つため、日々の身体作りは欠かせないですね」
海斗さんは週4~5回ほどジムで体作りに励み、体脂肪は10%前後をキープ。食事は1日7食に分けて食べ、1回につき300キロカロリーを目指しているという。
「モデルというからには男女問わずそれなりの美しさも当然必要。その美とは女性は脂肪から、男性は筋肉から発せられると解釈されることが多いんです。そのため、筋肉とそれを支える骨や腱は外貌から見えるようにしておかなければならないと思っています」