日本人は自主的にはたらき過ぎ!? 80%の人が休暇を取得しやすいと回答しているが、直近1年間の有給取得率平均は53%
全体の約80%が休暇を取得しやすいと回答していたが、有給取得率が50%以上の人は半数に留まっており、積極的には付与数を取得し切っていないことが分かる。
雰囲気としては取得しやすくても、実際は業務が重なってしまい、休暇中に連絡が来ることで取得しづらいと回答している人が20%程度いることが想定される。
また、現状の有給付与日数に関して「もっと休暇を取得したい」と回答した人が53%いることに対し、「現状のままで丁度いい」と回答した人は41%となった。
このことから、これ以上の休暇を取得すると業務に支障が出るなどを考えている人も多いのではないかと推測できる。
政府は令和7年までに有給取得率を70%までに引き上げることを目標に掲げている。しかし、休暇を取得しやすいと回答している人が多いにもかかわらず、有給取得率平均は58%となっていた。
調査結果から、休んでいる間に連絡が来る、同僚や休んだ後の自分に業務の皺寄せが来ることを恐れる、休暇恐怖症の人が多いのではないかと考えられる。
また、休暇が取得しやすい理由として「会社としての雰囲気」と回答した人が60%。有給取得率が50%以上の人はこれに加え、会社が「制度の改善をしている、またはしようとしている」と回答した人が、有給取得率50%未満の人に比べて14%高い結果となった。
よって、有給取得率上昇のためには、はたらく人ファーストな、休暇を取得しやすい雰囲気作りのみならず、企業主体での積極的な制度の浸透や、ある程度の強制力が必要といえるのではないだろうか。
最も休暇を取りづらいと感じているのは50代。取りづらい理由として「業務的に取る余裕がないから」
休暇の取得に関して年代別で見ると、「夏季休暇を取得しづらい」と14%の20代が回答したのに対して、50代は31%まで上っていた。この差は17%となり、大きな意識の差が出ていることが分かる。
50代の休暇が取得しづらい理由としては、他の世代に比べて「業務的に取る余裕がない」が約55%と最も多く、年代としての傾向や、上位役職に就くからこその取得しづらさがあることが判明。
さらに、20代で休暇が取得しづらい理由としては、「会社として取りにくい雰囲気だから」が最も多く、20代と50代の休暇の取りづらさには大きな意識の違いがある結果となった。
直近1年間(有給を付与されていない人、1年以内に転職した人は除く)の有給取得率が10%未満の人で自身が勤める会社の売上が良いと回答したのは36%に留まったのに対して、90%以上取得している人たちは60%という結果に。
この差は24%にも上り、休暇の取得率と業績は大きく関係している傾向があるようだ。
また、有給取得率10%未満の人の30%が、「自社は離職率が低いと思う」の設問に「そう思う」と回答したことに対して、90%以上取得している人は70%が「そう思う」と回答した。
こちらも40%の差が出ており、休暇の取得率と離職率は大きく関係していると考えられる。
有給取得率が90%以上の人は、有給取得率が10%未満の人に比べて、自社は「多様性を尊重している」「従業員の意見を聞く機会がある(従業員が意見を発信する機会がある)」「従業員がはたらきやすいように制度の改善をしている、または改善しようとしている」「はたらきがいがある」「風通しが良い」「人間関係は良好である」の全ての項目に対して、「そう思う」と回答した人が平均で42%も高い結果となった。
このように、はたらく人をファーストしている会社は結果的に休みが取りやすく、全体のパフォーマンスにも影響が出ていると考えられる。
また、離職が少ないことで社内の業務を円滑に進めることができることも業績に繋がっていると考えられる。会社として休暇の取りやすさは改めて重要であることが分かった。
調査概要
調査方法:インターネット調査
調査期間:2024年7⽉19⽇(金)~7月25⽇(木)
調査対象:全国の20歳~59歳男女400名(経営者、役員を除く)
調査機関:株式会社ネオマーケティング
関連情報
https://corp.miidas.jp/landing/hatarakuhito_first_award/2024
構成/Ara