「長い目で見てください」
夏目 最後に、どんな方に株主になってほしいですか?
岡田 我々の仕事はタームが長いのです。何か売ってすぐ何十億円、といったビジネスではなく、本格導入に数年かかる場合が少なくありません。
私がAIの可能性に気づいた2012年、AIは画像認識が最も得意でした。しかし、(第1回の)冒頭でお話した三菱ガス化学さんのプラントの保全業務で社会実装するまでに10年かかっています。LLMも同じで、2017年に発表され、ようやく商用化に至っています。
そのため、長期にわたって我々と伴走していただける方だと嬉しく思います。我々が大きなアドバンテージを持てた要因も、上場前から長い目で見てくださる株主さんに恵まれたからでした。その結果、我々は「ABEJA Platform」の研究開発にリソースを投じることができ、これが今の収益の柱になっています。
AIの株なので、ボラティリティは大きい(値動きが激しい)のですが、長い目で見てくださると嬉しいですね。
夏目 個人的には、飲食店のロボットがお箸を持ってきてくれる未来が楽しみです。
岡田 はい。私は我々が生きているうちに見られると思ってます。
取材・文/夏目幸明 撮影/中村將一