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【テンバガーを探せ】「ミッションクリティカル」領域にAIを社会実装するABEJAの先進性

2024.08.12

新NISAや日経平均の大幅な変動で盛り上がる株式市場。有識者の推奨銘柄などが報道されるが、実際、どんな人物がどんな事業を行っているのかはなかなか知ることは難しい。そこで【テンバガーを探せ】と題し、日本で最も多くの社長を取材している経済ジャーナリスト夏目幸明が様々な投資家が注目する企業のトップを直撃、その実態を解き明かします。

第1回は2023年6月13日に東証グロース市場に上場した、日本のAI市場をけん引する「ABEJA」(5574)。2012年にシリコンバレーでAIの可能性に気づき「早急に社会実装しなければ日本は世界から置いていかれる」と危機感を持って起業した岡田陽介CEOに展望を聞きました。

株式会社ABEJA代表取締役CEO
岡田陽介さん
1988年生まれ、高校でCGを専攻し文部科学大臣賞を受賞。2012年にABEJAを起業し、23年に東京証券取引所グロース市場上場。政府有識者委員会も歴任。

株式会社ABEJA
独自のAIプラットフォーム「ABEJA Platform」を基盤に300社以上に上る顧客企業のDXを支援。2023年には生成AIのひとつ、大規模言語モデルを「ABEJA LLM Series」として商用化した。

業界初、人間とAIの協業を実現

夏目 いまAIを扱う企業が徐々に増えていますが、貴社の独自性はどこにあるのでしょうか?

岡田 ミッションクリティカルな業務(障害や誤作動などが許されない業務)に使えるAIも開発していることです。

 例えば三菱ガス化学さんのプラントの保全業務にAIを実装しました。同社の工場内には、様々な配管があります。これが腐食して内容物が漏洩した場合、重大事故が起きかねません。そこで検査時にはすべての配管の写真を撮影し、保安員の方が目視で確認していました。

 しかし大きな工場なので、確認の作業量は膨大でした。

夏目 そこでAIを使って画像認識をすることに?

岡田 おっしゃる通りです。難しかったのは、間違えられないことでした。画像認識はAIが得意とする分野なので、以前からこういった保全業務にAIを活用できないか、という議論はあったんです。しかしAIの精度は100%になりにくく、間違えると事故につながる分野においては敬遠されがちでした。

 皆さんが体験するAIも、議事録作りとかチャットボットの対応とか、間違っても重大な事故には結びつかないものが多いですよね?

夏目 AIも人間と同じで、学ばせていっても100%にはなりにくいわけですね。

岡田 はい。もしAIの企業が「我々は精度99.9%を実現しました!」と提案に行っても、ミッションクリティカルな業務では使えません。99.9%ではなく、そのあとにどれだけ9を並べられるかが勝負なんです。

 一方、我々は元々、運用ノウハウや知識データを蓄積する段階で人とAIが協調してオペレーションするアプローチを用いて、AIの学習のループの中に人間も入るモデルを準備していました。これを「Human in the Loop」と言います。仮に配管の写真が大量にあっても、AIが明らかに「問題ない/ある」とわかる画像だけ判断し、残りの画像を人間が確認するなら、人間が見るべき写真の枚数は激減しますよね。

熟練スタッフによる勘と経験に支えられていた検品作業を、画像や音声データを教師データとして自動化する。良品/不良品の判定や異常品の検知がAIにより自動で可能に。(写真はイメージ)

夏目 それ、ホームページで別の例も見ましたよ。自動車部品の工場で10万個に1個くらいしかない不良品を目視で確認してたけど、AIを導入して、AIが判断しきれないものだけ人間がチェックするようにしたら、人が見なきゃいけない数が100分の1、1000分の1になったんですよね。

岡田 近い例です。そしてこの形なら、ミッションクリティカルな業務でもAIが活用できます。

 この「Human in the Loop」を活用した化学プラントに関連する発明については、2022年に三菱ガス化学さんと共同で特許を出願していますし、これらの業務へのAI導入は始まったばかりなので、市場も大きいのではないかと期待しています。

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