裁判所のジャッジ
会社の勝訴です。裁判所は「真意に基づいて退職の意思表示をしたものと認めることができる」旨言い渡しました。
―― X1さん、何か不満でも?
X1
「面談の時間も30分と短かったですし、家族と面談する機会も与えられませんでした」
裁判所
「Xさん自身、納得がいかなければ退職届を提出する必要はないことを知っていたのであるから、上記事情をもって真意に基づかないということはできない」
―― X2さんも挙手してますね。どうぞ。
X2
「係長から『懲戒解雇になる』旨告げられたんです」
―― なるほど。懲戒解雇を避けるために退職届を提出せざるを得なかったというご主張ですね。裁判所さん、いかがどすか?
裁判所
「係長がそのような発言をしたと認定することはできない。係長は『懲戒処分を受ける可能性がある』とは述べたものの、その一種である「懲戒解雇」になるとは言っていない」
―― お二人がまだ挙手してますね。どうぞ。
X1・X2
「上司たちに強迫されたんです!」
裁判所
「そのような事実は認められない」
Xさんらの言い分は玉砕しました。
さいごに
今回の事件のように、いったん退職届を出してしまうと、ほぼ【The・End】です。過去には取り消せた事件もあるのですが超例外的ですので、ご注意を。
今回は以上です。「こんな解説してほしいな~」があれば下記URLからポストしてください。また次の記事でお会いしましょう!
取材・文/林 孝匡(弁護士)
【ムズイ法律を、おもしろく】がモットー。法律コンテンツを作ることが専門の弁護士。
最新情報は下記SNSから。「こんなこと解説してほしい」も受け付けています。
HP
X
instagram