【実践例/クリエイター】〝無知の知〟の境地で新しい知識を貪欲に取りに行く
音楽クリエイターとしてはもちろん、テレビ番組のレギュラー出演やメディアの連載執筆など、幅広く活動しているヒャダインさん。それぞれの仕事に生かす情報は、どのように収集しているのだろうか。
音楽クリエイター
ヒャダインさん
1980年大阪府生まれ。3歳からピアノを始め、京都大学を卒業後に、音楽クリエイターとしての活動を本格的にスタートする。様々なアーティストへ楽曲を提供。現在は、タレントとしての活動、連載記事の執筆なども行なっている。
広く浅い情報を収集するほどいろいろな〝球〟に対応できる!
幅広い分野で活躍するヒャダインさんは、世間の大きな流れや人々の心の変化を把握するために、日々積極的に情報を取りに行くという。
「普段はX(旧Twitter)やInstagramなどのSNS、Yahoo!ニュース、テレビ番組や新聞記事(Web)、トレンドのポストなどを見て、情報を収集しています。情報番組でコメンテーターもしているので、ニュースには疎くならないように心がけていますね。世の中の流れや人々の考え方、トレンドを知るという意味で、収集した情報は音楽制作につながる部分もあるし、そこには敏感でありたいと思っています」
情報収集は自身の解像度を上げる行為だとも、ヒャダインさんは話す。
「『情報をストレージして必要な時に引き出す』よりも『自分の解像度や解析度を上げるために情報を得ている』という感覚に近いかも。様々な情報に触れ、考え方のフィルターを持てば、傾聴力や共感力も鍛えられ、誰とでもおしゃべりができるようになる。もちろん知ったかぶりをするつもりはないんですが、いろいろな〝球〟が来ても対応できるように意識していますね」
〝座学〟と位置付けるSNSなどによる情報収集に加え、実際に見る・聞く・触れるなどのフィールドワークも大切にしているヒャダインさん。浅くても知っていることに価値があるという。
「〝座学〟だけでは立体的に見えないことがあるので、フィールドワークを大切にしています。よく街に出て、見たものを自分なりに分析しています。ものを作る人間なので『これちょっと知らないんだよね』というこぼれを作りたくないんです。基本は広く浅く、すべての事象をとりあえず一般常識として知っておく。社会の一員として、起きている事象を頭に入れておくことは、総合力の観点からも大切だと思いますね。いわゆる『にわか』と言われる状態は『浅い』とも言われますが、僕は〝無知の知〟ってすごくいいことだと思うんです。広く浅く知ることで楽しみの選択肢も増えますし、転用できることもありますから。だから『広く浅く=にわか』と言って責める風潮は良くないですよね。詳しく知っている人は、知らない人に『これからもっと知ってね』と優しく握手するくらいの寛容さを持ってほしいです」
〝無知の知〟の状態って実は最強!視野を広げるために世界情勢の情報を収集!
古代の哲学者ソクラテスが説いた「〝無知であることを知っていること〟が重要」という〝無知の知〟にもとづき、ヒャダインさんは海外情勢やアーティストの話題にも触れ、広く浅い知識を養っている。
[広][浅]POINT|BBCを見る
「よく見るのが海外のWebサイトやBBCのニュースです。海外事情に対して関心が薄まっている気がする日本でどれだけ騒がれているのか、その差分も調べています」(ヒャダインさん)
[広][浅]POINT|英会話を学ぶ
「オンラインで英会話レッスンを受けているんですが、先生からは世界の常識、日本で知られていないこと、世界から見た日本についても、教えてもらうことがあります」(ヒャダインさん)