「水の臭気成分を溶かす性質」に着目して1997年から研究を開始
パナソニックは同社が製造・販売するナノイー(※1)デバイスの出荷台数が、国内・国外あわせて1億台を突破したことを発表した(※2)。
ナノイーは、1990年代、生活環境における空気汚染が課題になっていたことを受け、1997年に松下電工(当時)が、水の「臭気成分を溶かす性質」に着目して住環境の空気浄化をテーマに研究開発に着手したことに端を発している。
2001年には、奥山喜久夫氏(現、広島大学名誉教授)の協力を得て、本格的な技術開発がスタート。水分に高電圧を加えることで生成される、水に包まれたナノサイズの微粒子イオン・ナノイーが誕生した。
2003年に入ると、ナノイーデバイスの完成とともに、世界初(パナソニック調べ)のナノイー搭載空気清浄機「エアーリフレ」を発売。
2005年には、マイナスイオンの1000倍以上の水分量を有し、寿命も長いというナノイーの特徴に着目したナノイー搭載ドライヤー「イオニティ ナノケア ウインドプレス」を発売。
その後も用途に応じてナノイーデバイスは進化を続け、OHラジカルの発生量を追求したナノイーデバイスを搭載するルームエアコン、冷蔵庫、洗濯機など白物家電、そして水分発生量を追求したナノイーデバイスを搭載するヘアドライヤーやフェイシャルスチーマーなどの美容家電へと、搭載製品の幅を広げてきた。
■世界的な空質改善ニーズの高まりから2021年度には年間出荷量が1000万台を突破
また、昨今の世界的な空質改善へのニーズの高まりを背景に、2021年度には年間ナノイーデバイス出荷量が1000万台を突破。現在、その活用はパナソニック製品にとどまらず、国内の鉄道(16社)、国内外の自動車(9社115車種)、学校や病院、ホテル、オフィス、商業施設など世界中の施設・公共空間で採用され、グローバル107か国に展開している(※3)。
今回の発表に際して同社では、「今後もナノイーの可能性を追求、進化させ続け、家電分野、モビリティー分野、住宅、施設、公共空間など、くらしや社会のさまざまなシーンにおいて清潔で快適な空間を提供するとともに、一人ひとりのなりたい自分をサポートしていきます」とコメントしている。
※1 ナノイーは、一般的なイオンと比べて約6倍の寿命があるため広範囲に広がる。水分量は空気イオンの約1000倍(体積比)以上で、肌や髪にやさしい弱酸性のイオン。
※2 2003年9月~2024年6月までのナノイー、ナノイーXのグローバル出荷累計台数
※3 2024年8月2日現在
関連情報
http://panasonic.jp/nanoe/
構成/清水眞希