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仕事をしていると、会議に参加することや自分が会議を開く立場になるときもある。会議が停滞して時間がかかったり、結論が出ないまま終わってしまったりすると、次からの会議が億劫になるのはもちろん、その会議が必要ではないのではと思われることもある。
しかし本来、会議には、報告や目的の共有、意思決定など、さまざまな目的や種類があるから開いているはず。そこで、会議を効率的に進めるためにするべきことを整理してみよう。
会議の目的と種類
何のための会議だったのか?とならないようにするためには、、まず会議の目的を明確にすることが重要だ。報告など共有事項であるのか、まずは多くの意見を集めるためのブレスト(ブレインストーミング)であるのか、それとも物事を決定したうえで次のステップに進むための会議であるのかを事前に参加者に周知しておく。これは会議に参加するための準備が異なってくるためだ。
内容を共有するための会議であれば、進行するファシリテータなど司会者が、要点を伝え、今後の役割分担などを決めることになる。アイデアだしとなるブレストなら、参加者が現時点でのアイデアを出すことが目的で、さまざまな考えを出す場となるため、結論を出す必要はない。
意思決定の会議となると、参加者がどれだけ納得した内容で、次のステップに進むことができるかを決めなければならない。今回の会議が、なにを目的にしているかを、会議を開く側はもちろんのこと、参加する場合も目的を知った上で、準備して会議に参加するのが望ましいだろう。
会議の進め方に大切なファシリテーションスキル
会議の目的を達成するために、ファシリテーションは重要なスキルだ。ファシリテーションとは、会議を円滑に進行し、その目的を果たすためのスキルのことで、司会進行に似ている。
違いは進行するだけではなく、参加者全員が意見を述べやすい雰囲気を作り、時間の管理も求められる。パネリストが数名登壇するセミナーなどでは、司会者以外に、パネルディスカッションにだけ登壇するファシリテータがいることもあるように、その内容を熟知した担当者が、より深く、わかりやすく話を展開する役目を担っている。
会議も、プロジェクトを任されたリーダーがファシリテータを務めることが多く、全体を俯瞰しているからこそ、さまざまな意見を吸い上げることもできる。
もちろん良いアイデアばかりで和気あいあいという会議は少なく、反対意見なども出てくる。その中には、感情的になって険悪なムードになることもあるだろう。その場をおさめる能力も、ファシリテータには必要となる。
会議の進め方のコツ
会議を進行するにあたって、事前準備は重要だ。まずは、会議の参加者についてのリサーチとともに、目的に合わせたシナリオをイメージしておこう。
■アイスブレイクを採用してみる
初対面の参加者がいる会議の場合は、最初にアイスブレイクを採用するのもおすすめだ。紹介的なものから、簡単なクイズ形式など、まず、その場を和ませ、コミュニケーションをとりやすくする。自己紹介だけでも構わないが、ひとつなにかイベント的な要素があると、親近感がわくこともある。
■会議のプログラムと時間を共有する
本題に入る前に、今回の会議内の時間配分と到達点を伝えよう。どこまでの決定事項が必要なのかなどわからないままスタートすると、時間が経つにつれ、いつまで続くのか不安になる参加者が出てくるなど、集中できない時間が生まれる可能性がある。
ファシリテータは、会議のプログラムと時間配分をしっかり把握して進行しよう。また、プログラムや資料に時間を記すことで、参加者の時間意識も促すことができる。
事前に内容を共有しておくことも忘れてはいけない。参加者も準備ができ、より深いディスカッションが期待できる。また、パワーポイントなど、視覚的資料もあると、より理解が深まるだろう。
■携帯電話の使用禁止
思った以上に会議を妨げるのが携帯電話だ。マナーモードの振動音だけでも煩わしく感じることもある。集中しているときに緊張感が切れるため、基本的には、スマホの持ち込みを禁止にするか、電源を切ってもらうようにしよう。ただ、取引先から連絡が入る予定がある場合は、緊急電話の可能性があることを伝え、了承をとるようにしよう。
■発言するときは短く的確に
司会者であるファシリテータが時間配分を心がけ、参加者の意見を引き出すことも大切だが、参加者も意見を話すときに意識したいことがある。
それは、自分の立場での意見を短く的確に発言することだ。慣れていないと、ついとりとめもなく話してしまいそうだが、会議は参加者全員の時間を費やしていることを理解し、できるだけ端的にまとめて話そう。
■自分の立場での意見を述べる
会議には、それぞれ立場が違う人が参加している。部署や立場によって、物事の見方が変わるため、それぞれの立場での意見が求められている。参加者が、それぞれの立場での意見を出すことは、会議を有意義なものにするために重要だ。
まとめ
会議に慣れている人は、発言や進行も手際よく行っているが、最初からうまくできる人は少数だ。時間を意識し、的確に話すことを心がけ、少しずつ慣れていくのがいいだろう。そのための事前準備は、入念に行おう。
準備ができていることで自信につながり、言葉にも力強さが出てくる。あとは、多くの経験を積み重ねることで、有用な会議を実現できることを目指していこう。
文/林ゆり