インテリジェントなコンテンツクラウドを提供するBox, Inc.(NYSE:BOX)と、AIを搭載した業務システムを提供するSalesforce Company(NYSE: CRM)のSlackは2024年8月1日、企業のコンテンツにセキュアなAIを導入し、組織の働き方を変革するためのパートナーシップ拡大を発表した。
同日より両社の顧客は、Box AIの無制限のクエリに直接アクセスができるようになり、これまでと同じ場所でBoxのファイルから重要な質問に対する回答や最新のインサイトを得ることが可能となる。
また両社は、Slack上でのBoxファイルのダイナミックでセキュアなファイルプレビュー、2つのプラットフォーム間でのワークフロー自動化の改善など、連携機能の強化も発表した。
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Slackから無制限のBox AIクエリが利用可能に
Box AIは、顧客の最も重要なビジネスの情報に対して、学習することなく、強力な大規模言語モデルを導入しているため、インサイトの発見やコンテンツにまつわるワークフローの自動化を実現する。
Box AIをSlackで提供することで、Enterprise Plusプランの顧客は無制限のAIクエリを利用し、Slackのチャンネルやスレッド内で送信されたBoxファイルに対して直接質問をしたり、重要なインサイトを引き出したりできるようになった。
Box AIはBoxに組み込まれた権限によって管理されるため、ユーザーは自分がアクセスできるファイルにのみアクセスし、そこから回答を得ることができる。
Slack内のBox AI 機能により以下のような業務が実現される。
<マーケティング部門>
Box AIを使って、Slackのチャンネル上で詳細な市場分析レポートから重要なインサイトを得ることができる。
<営業部門>
Box AIを活用して、Slackで共有された顧客向けのプレゼンテーションで新機能を訴求することにより、チームメンバー全員が最新情報を入手。顧客との関わりを改善することが期待される。
<法務部門>
Slackで共有された契約書の中で、重要な条項や条件、義務事項をBox AIに特定させることが可能だ。
<オペレーション部門>
Box AIを活用し、Slackチャンネルで投稿された予算から重要なポイントを抽出。共有するように依頼することで、経営資料の効率的な更新をサポートして、財務目標との整合性を確保できる。
<人事部門>
Box AIを活用して、Slackチャンネルで共有されている従業員エンゲージメント調査の結果を要約。傾向や改善点を迅速に特定することで、効果的なアクションプランの作成や職場文化の向上に役立つ。
BoxとSlackの強化された連携が利用可能に
Slack内のBox AI 機能は、両社がこの1年間で提供してきたイノベーションをもとに構築されており、顧客がBoxとSlackをより簡単に併用できるようことを目指している。以下の新機能も追加された。
<ダイナミックでセキュアなファイルプレビュー>
両社のユーザーはSlackチャンネルから直接、PDF、スプレッドシート、スライド資料を含むBoxドキュメント全体の最新バージョンをプレビュー、スクロール、表示することができる。ファイルへのアクセスや操作は、Boxに組み込まれた権限によって管理される。
<コンテンツカードをリアルタイムに読み込む>
Slackで共有されたBoxファイルの変更が数秒で反映され、Boxファイル自体の変更に合わせてSlackで共有されたファイルが更新されるため、ユーザーエクスペリエンスが向上する。
<Box for Slackワークフローの機能強化>
SlackユーザーはBoxコンテンツを組み込んだワークフローをコードなしで作成でき、チームはSlack内で直接Boxコンテンツを含むビジネスプロセスを自動化できるようになる。
<管理権限委譲の更新>
SlackのBoxアプリへのログインと承認が効率化され、連携の展開がより迅速かつ簡単になった。
<Box、Slack、Salesforce間のコンテンツワークフローの改善>
両社のユーザーはすべてのアップロードのデフォルト保存場所としてBoxを選択できるようになり、SlackチャンネルとSalesforceアカウントを同じマッピングされたBoxフォルダ構造に接続できるため、コンテンツが3つのプラットフォームすべてに反映され、重複が解消される。
■Box 共同創業者兼CEO アーロン・レヴィ(Aaron Levie)氏コメント
今日、企業はコンテンツに潜在する貴重なインサイトを引き出すAIの可能性を認識しています。Elf Cosmetics、Mast-Jägermeister SE、Wasserman Media を含む数千もの顧客がすでにBoxとSlackを連携して活用しており、信頼できる単一のコンテンツを維持しながら、双方のプラットフォームで簡単にドキュメントを共有し、コラボレーションに取り組んでいます。
この度のパートナーシップの拡大により、AIの世界にも同レベルの相互運用性と複数プラットフォームでの利便性を実現いたします。顧客向けのプレゼンテーション、法的な契約書、予算表、その他どのようなファイルでも、Slack環境を離れることなく、Box AIを活用してインサイトや回答を得ることができます。セキュアなエンタープライズグレードのAIを仕事で利用することが、かつてないほど簡単になりました。
■Slack CEO デニス・ドレッサー(Denise Dresser)氏コメント
世界有数の規模を誇る企業がSlackを利用し、従業員、プロジェクト、データ、ナレッジ、カルチャーを一つの会話型インターフェイスに集約しています。SlackとBoxの相互運用性が向上したことで、企業は組織全体のファイルを簡単に連携し、最も重要なビジネス成果を加速させるアクションを取ることができます。この連携は、企業が次世代のAIエージェントやアプリケーションのために、AIを活用した業務アプリケーションとしてSlackを活用していることを示す最たる例と言えるでしょう。
いまや企業は、生産性を向上させるために、強力なワークプレイスツール、AIエージェント、アプリケーションを、実際に業務が行われている状況で利用できるようにする必要があります。Slackの会話型インターフェースと2,600以上のサードパーティ製アプリケーションを備えた拡張可能なプラットフォームにより、従業員は既存の仕事のコンテキストで最も重要なビジネスプロセスに取り組むことができます。AIを搭載し、Slackと連携されたBoxのインテリジェントなコンテンツクラウドは、仕事の流れの中で、個々のチームが必要とする独自の方法で、企業コンテンツを活用し、検索する環境を顧客に提供します。
関連情報
https://www.boxsquare.jp/
構成/清水眞希