SusHi Tech Tokyoで見つけた面白トピックス~イノベーション創出に期待!
2024年5月15日と16日の2日間、東京ビッグサイトにて行われたグローバルスタートアッププログラムでは、150名以上が登壇する「セッション」、世界43の国・地域から507社が応募したうち選抜されたスタートアップ20社が参加した「ピッチコンテスト」、430社以上のスタートアップと48の国・都市・地域が出展した「ブース出展」などのコンテンツが展開された。
このうち、ブース出展された面白いと感じたトピックスを紹介したい。
●三菱地所
三菱地所株式会社は、スマートシティや新事業創造、イノベーションエコシステムなどさまざまな事業やプロジェクトを紹介する展示を展開していた。
その一つが「めぐるめくプロジェクト」だ。同プロジェクトは全国各地の食農共創拠点や共創の活動を推進する自治体とのネットワークを広げ、地域間やプレイヤー間の交流、生活者とチャレンジャーの交流を促進することで、食産業や農産業の新たな価値創造を支援し、日本の地域活性化を目指すもの。
具体的には、生産者や生活者、および都心部の企業や研究機関などの多様な人材が交流することのできる場や、地域の生産者や加工者などの活動をサポートする各種プログラムやイベントを運営している。
すでに地域や地域企業、都市部の企業などが交流してコラボレーションを果たしている。
展示で目を引いたのは、地域活性化の支援事例として、三菱地所の出資先である北海道の上川大雪酒造株式会社による北海道上川町産の生乳を利用した飲むヨーグルトが紹介されたこと。試飲も可能だった。上川大雪酒造は、地元でしか飲めない地元限定酒のほか、酒粕を活用した製品や飲食店とのコラボレーション、地元大学や高専での酒造講義など、地域とのつながりを強化する取り組みを行っており、三菱地所も出資・運営にかかわる北海道エアポートや三菱地所と共に新たな街づくり・観光の姿を追求している。
また今回の展示ブースのアンケートに答えると、緑色をした植物性マヨネーズがプレゼントされた。
その「発酵マヨ<石垣島ユーグレナ>」は、前述のめぐるめくプロジェクトにおける共創で生み出された秋田県男鹿市でクラフトサケ醸造所「稲とアガベ」を展開する稲とアガベ株式会社と、石垣島ユーグレナを中心に多数の商品を展開する株式会社ユーグレナのコラボ商品だ。酒造りの工程で廃棄されている酒粕を用いた「発酵マヨ」という既存商品に、石垣島ユーグレナが加わることで、新たな植物性マヨネーズが生まれた。
石垣島ユーグレナは豊富な栄養素を含む環境負荷の少ないバイオマス資源であり、この調味料の開発により、健康志向と環境配慮の両立を実現した。
めぐるめくプロジェクトによる共創は、ただのコラボではなく地域活性や持続可能性も追求されている点は注目といえる。