傘以外のアイテムも展開
『Wpc. IZA』は2022年に長傘の「ロングジャンプ」、2023年に大きなサイズ感とたたんだ時のコンパクトさを両立した「ラージ&コンパクト」、2024年に「オートマティック」を発展させた「オートマティック&セーフ」と高強度構造の耐風傘「ウィンドレジスタンス」を発売している。長傘はWpc.公式オンラインショップと直営店舗のみで販売している。
唯一の長傘「ロングジャンプ」。写真のブラックのほか、オフホワイト、ベージュ、グレー、ネイビー、ブラウンを揃えている。価格は4070円
大きめのサイズ感とたたんだ時のコンパクトさを両立した「ラージ&コンパクト」。写真のベージュのほか、オフホワイト、グレー、ネイビー、ブラック、ブラウン(限定色)を揃えている。価格は4400円
片手で開閉できる自動開閉設計を採用した「オートマティック&セーフ」。写真のネイビーのほか、オフホワイト、ベージュ、グレー、ネイビー、ブラック、ブラウンを揃えている。価格は4180円
風速25m/sにも耐える特殊な骨の構造を採用した「ウィンドレジスタンス」。写真のグレーのほか、オフホワイト、ベージュ、ネイビー、ブラックを揃えている。価格は3850円
これまでは傘のみの商品展開だったが、傘以外のアイテムとして2024年2月に「レインブレーカーサファリハット」と「レインブレーカーポンチョ」の2つを発売した。サファリハットは『Wpc. IZA』の傘生地を使用。ポンチョはゆったりしたシルエットで着脱しやすいフルジップ仕様とした。角谷氏は今後の商品展開を次のように明かす。
『Wpc. IZA』の傘生地を採用した「レインブレーカーサファリハット」。写真のブラックほか、オフホワイト、ベージュ、グレーネイビーを揃えている。価格は2970円
着脱しやすいフルジップ仕様で、フェスやスポーツ観戦などタウンユースに最適な「レインブレーカーポンチョ」。写真のグレーのほか、オフホワイト、ベージュ、ネイビー、ブラックを揃えている。価格は4950円
「今後、天気にまつわる傘以外の商品を増やしていきたいです。いろんな商品を手がける信頼できるブランドにするべく、男っぽさのあるカッコいいものを広く展開していきたいです。ゆくゆくは男性向けの暑さ・紫外線対策の総合ブランドとして発展させていきたいですね」
また、商品以外の新たな試みとして、2024年5月6 日から9月30日の期間限定で全国の日傘指数(日傘が必要な度合い)を予報する特設サイト「日傘予報forクールビズ」を開設した。日傘指数は気温、湿度、日射量などのデータを元に算出し、サイトではアイコンで日傘指数を示す。当たり前に日傘を使ってもらえるよう紫外線を気にする動機付けとしてつくった。
「日傘予報forクールビズ」のトップ画面。全国各地のその日の日傘指数をアイコンで示している
「日傘予報forクールビズ」ではその日の日傘指数だけではなく向こう一週間の週間予報も発信
2025年以降の実施は今後の反響次第だが、テレビ番組内の天気予報で紹介されたりするなど気象予報士や気象予報にかかわる業界からの注目度は高い。
取材からわかった『Wpc. IZA』のヒット要因3
1.男性目線の徹底
デザインだけではなく機能でも男性を意識して開発。PRでも男性から見てカッコよく見えることを追求した。開発から販売に至る全プロセスでブレることなく男性目線を徹底しきった。
2.多彩なラインアップ展開
日傘/雨傘に関係なく、傘に求めることはコンパクトであること、軽量であること、開閉が楽なこと、風に強いことなど人それぞれ。特徴を持った多彩なラインアップ展開をすることで多様なニーズを満たすことができた。
3.雨傘としての性能も高い
晴雨兼用傘だが、日傘を使うきっかけになるべく最高レベルの撥水性能を実現するなど雨傘の性能にもこだわった。男性は日傘としてではなく雨傘として購入する人が多いだろうという想定が当たった。
『Wpc. IZA』は発売1年目の2021年に売れたのは約5万本。しかし22年は約12万本、23年は約40万本と年々売上を拡大。24年は7月時点ですでに約50万本売れている。
急成長を遂げているが、日傘を使っている男性はまだ少数派である。男性の日傘ユーザーを拡大する余地は大きい。ユーザー拡大のカギは日傘を体験する機会の拡大にある。
文/大沢裕司