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仕事などでミスをしてしまったり、人間関係ですれ違いが発生してしまったときなど、うまくいかなかったことに対して深く落ち込んでしまう人も多いでしょう。
しかし、その一方、同じミスをしたとしても、次の日にはいつも通りに立ち直っている人もいます。
後者のような人は、しばしば「打たれ強い」と表現されることがあります。
今回は、打たれ強いと言われる人の特徴、メンタルの回復力を高める方法をお伝えします。
打たれ強いとはどういう意味?
まず、「打たれ強い」という言葉の意味を見ていきましょう。
小学館のデジタル大辞泉によると、
・ボクシングなど格闘技で、敵の攻撃に耐える力がある。
・野球で、打者にヒットを打たれてもうまくしのいで得点を与えない。簡単に崩れない精神的強さがある。
・反対者からの批判や非難、また逆境に耐える強さがある。
とあります。
今回取り上げる「打たれ強い」は、辞書にある3つ目の「反対者からの批判や非難、また逆境に耐える強さがある」が当てはまります。批判や非難、逆境に耐える強さ=ミスに対して落ち込むことはあったとしても引きずることのない回復力の高いメンタル、と言い換えることができます。
打たれ強い人が持つ特徴
次に打たれ強い人が持つ特徴を紹介していきます。
打たれ強い人はメンタルの回復力の高さを自覚している場合もあれば、無自覚の人もいます。ここの特徴をぜひご自身に当てはめてみてください。
1.自分を持っている
打たれ強い人には、自分の考えや価値観などを自認しているという特徴があります。自分の好きなものや嫌いなもの、正しいと思っていることなどを自分でわかっているのです。
この特徴がある人は、他人の意見などに左右されません。他人から否定されたとしても、「自分はこうだから」とブレません。なので、落ち込むことはあったとしても引きずることが少ないのです。
2.物事、出来事を客観視できる
1.の自分を持っている人は、他人の意見に左右されないという長所がありますが、これだけでは頑固な人、自分勝手な人と周囲から思われる可能性もあります。
打たれ強いことを周囲にポジティブな反応で受け止められている人には、1.と合わせて、物事や出来事を客観視できるという特徴を持っている場合が多いです。
物事を客観視できるというのは、その物事を主観だけで考えないということであり、他人の意見も受け止められます。例え他人からの意見として否定されたとしてもちゃんと受け入れられるので、そのことに対して落ち込み続けることはありません。
3.気分転換がうまい
打たれ強い人は、気分転換がうまい人が多いです。
ずっと落ち込んでしまうということは、ミスしたというマイナスなことにずっと心が囚われてしまっている状態と言えます。そんな状態から脱する方法を、打たれ強い人は知っているのです。
脱する方法は個々で違います。共通しているのは、「気持ちを集中させて行える」ということです。
メンタルの回復力を高める3つの方法
最後にメンタルの回復力を高める方法をお伝えします。
1.落ち込む自分を否定しない
打たれ強いことをポジティブに捉える人ほど、落ち込みが続いてしまう自分を否定しがちです。まずは、それをやめましょう。
否定するだけでは、何に対して落ち込んでいるのかを自覚できず、次回への経験に変えていくこともできません。そうなると、何度も同じことを繰り返し、落ち込み続ける自分のことが嫌いになっていく、という負のループにハマってしまいます。
落ち込むことは決して悪いことではありません。ミスをしてしまったことなどを後悔してしまうのは、それだけそのことに真摯に向き合ったということ。反省しているということです。
落ち込むことをやめるのではなく、落ち込んだ気持ちがずっと続くことをやめることが大切なのです。
2.できることに目を向ける
打たれ弱い人は、ミスしたという事実ではなく、ミスしてしまった自分までを否定する傾向があります。「こんなこともできない自分はダメだ」というふうに、ミスした自分は価値がないとまで思いが至ってしまうのです。自分まで否定してしまう状態が続くと、他にも自分ができなかったことを思い出し、それらに囚われてしまいます。
その状態を脱するためには、できないことよりも今できていることに目を向けるようにしてみてください。
できていることとは、自分が得意なことです。得意なことは苦労することなく当たり前にできていることがほとんどなので、何が得意か自分自身では気づいていない可能性もあります。なので、継続できていること、他人から頼られたことや褒められたこと、他人に教えたことなどを考える時間を作ってみてください。
できていることに目を向ければ、ミスから自分を否定するという思考を少しずつですが、変えていくことができます。
3.自分に合った気分転換の方法を見つける
特徴でも取り上げましたが、自分なりの気分転換法を持っておくことも大切です。簡単に取り入れることができて、集中して取り組めるものがおすすめです。運動や、本を読むこと、その場から離れて飲み物を飲むことなど、負担なく始められるものから探してみてください。
文・構成/藤野綾子