自社商品を効果的に宣伝し、訴求するには口コミが重要な役割を担う。そこでSNSで多くのフォロワーを持つインフルエンサーに依頼して商品を利用してもらい、口コミとして拡散するインフルエンサーマーケティングがよく行われている。
しかし、実際のところ、インフルエンサーと自社商品やブランドとのマッチングに課題が生まれることもある。成果の出るインフルエンサーはどのように見つけられるだろうか。今回は、インフルエンサーマッチングに詳しい有識者に、よくある失敗と成功するインフルエンサーの見つけ方を聞いた。
インフルエンサー起用のよくある失敗8選
企業がマーケティングやPR活動のためにインフルエンサーを起用する際、失敗することもある。具体的にはどんなことがあるのだろうか。
今回、話を聞いたのは、株式会社1SEC の代表取締役CEO 中村成寿氏だ。1SECのインフルエンサー関連のサービスには、誰でも簡単にサブスクサイトをはじめられるファンプラットフォーム「PEEEPS」や、「PEEEPS」で得たゼロパーティーデータにAI検出を掛け合わせて生成した”好き”が詰まったデータベースを活用したインフルエンサーアサインサービス「HYPE CAST AI」などがある。
これらのサービス提供やプラットフォーム運営などの実績と知見から、インフルエンサー起用のよくある失敗について8つを挙げてもらった。
1.偽のフォロワーや購入されたフォロワーの見落とし
「一見フォロワー数が多くても、実際には偽アカウントや購入されたフォロワーが多い場合があります。これにより、実際のリーチやエンゲージメントが期待を大きく下回ることがあります」
2.インフルエンサーの過去の言動や評判の調査不足
「インフルエンサーの過去の投稿や言動、スキャンダルなどを十分に調査せずに起用し、後になって企業イメージを損なうような事実が発覚するケースがあります」
3.過度な広告露出
「過度に広告露出しているインフルエンサーを起用してしまうケースです。同じインフルエンサーが短期間に多くのブランドのプロモーションを行うことで、信頼性や効果が低下する場合があります」
4.インフルエンサーの制作スキルの過大評価
「インフルエンサーの投稿制作スキルを過大評価した結果、期待するクオリティの成果物が得られないことがあります」
5.契約内容の不明確さ
「投稿の回数、時期、内容、修正の可否などの契約内容が不明確で、後にトラブルになるケースがあります」
6.プラットフォーム特性の理解不足
「InstagramやTikTokなど、各SNSプラットフォームの特性を十分に理解せずにインフルエンサーを起用したキャンペーンを実施し、効果が出ないことがあります」
7.インフルエンサーの成長や変化への対応不足
「長期的な関係を築いているインフルエンサーの成長や変化、例えばフォロワー層の変化などに対応できず、効果が徐々に低下するケースがあります」
8.ブランドメッセージの一貫性欠如
「複数のインフルエンサーを起用する際に、ブランドメッセージの一貫性が保てず、消費者に混乱を与えるケースがあります」