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「ウェルビーイングな職場」の姿とは?フジッコが目指す心理的安全性の高い職場づくりと健康経営

2024.08.02

『パパ応援休暇』で男性の育休取得を推進 周知活動でお手洗いにPOPも 

D:実際の“働きやすさ”という面ではどういった取り組みをされていますか。

中村:部下や自分のワークライフバランスを考えて、部下のキャリアを応援しながら部署の業績も結果を出す、そういう上司を目指す『イクボス推進』を行っています。育休だけでなく、私傷病、プライベートで必要なお休みなどにも配慮しながら、マネジメントできる上司を目指してほしいということで推進しています。

それから、女性のお手洗いには生理用品を常備していて、万が一の時でも安心できるようにサポートしています。

(お手洗いに設置されている生理用品)

D:子育ての制度はどのようなものがありますか。

中村:時短勤務に関しては、最長で下の子が小学3年生終了に達するまで取得できます。法律では3歳までですが、「小1の壁」などご本人の事情に合わせて、希望があれば期間は決められるようにしています。

女性はほぼ100%、育児休業から復帰しています。復帰する時に、「短時間勤務にしたい」「深夜は働けない」「時間外労働の制限」などを申請してもらえる流れは作っています。もちろんこの制度は男性も取れます。

D:フジッコさまでは男性育休取得にも力を入れているとお聞きしました。

中村:妊娠されたご自身はもちろん、配偶者が妊娠した時に、「妊娠申請」を出してもらって、その人に「育児に関わる手引き」を渡して、男性も積極的に取得できるよう社内制度を伝えています。

男性も制度としては育休を取得できるのですが、取りにくい方もいると思うので、まずは5日間は育児に携われるように、フジッコ独自の制度として通称『パパ応援休暇』と呼んでいる特別休暇を導入しています。

『パパ応援休暇』は、配偶者が出産する前後1か月の間で、連続して5日間を特別に休みがとれる特別休暇です。これは有給扱いにしています。『パパ応援休暇』は積極的にとってほしいと、社内へ呼びかけています。また男性が妊娠申請をした時に、申請者の上司に「パパ応援休暇や育児休業を取得できるよう協力してほしい」と育休相談窓口からお願いしています。どうしても、「自分からは言いにくい」という意見は聞きますので、上司から声がけしてもらうよう伝えています。特に『パパ応援休暇』は「フジッコとして100%取得してほしい制度です」と念押ししています。

D:『パパ応援休暇』はいつ頃から始まったのですか。

中村:2016年頃です。まずは「2日間」から始まって、2020年に5日間に増えました。土日含めると1週間以上取得できます。まずは連続して取ってもらうことで、家事育児に専念して夫婦で子育てのリズムを整えてもらったり、配偶者を休ませてあげたりしてほしい。そういう意図があります。

また男性育休取得者増加に向けた取り組みとして、2022年10月、2023年10月に子育て男性社員を対象に「食育料理研修」を実施しました。育児に関する制度への理解を深めてもらうことを目的に実施したもので、調理実習の他にも、育児に関する両立支援制度の説明や、休暇取得者からの経験談やディスカッションを実施しました。

(男性社員研修の様子)

食品メーカーなので、「家事育児、食事を担当することで、自社商品のことを消費者として知る機会にもなった」という意見も出ています。いろいろなメリットもあり、復帰後に「職場の中で理解が進み、支え合える」につながればいいなと思っています。

社内イントラネットで広報はされているのですが、以前は『パパ応援休暇』があること自体を知らなかった人もいたので、その周知に力を入れています。例えば本社では、男性お手洗いに「妊娠申請してください」というPOPを貼ってもらい呼びかけています。実際にPOPを見て申請してくれた人もいました。

また本社だけでなく工場など他の拠点でも、総務担当の方にポスターを貼るなど協力してもらっています。

(男性お手洗いに設置された妊娠申請を呼びかけるPOP)

D:休みが取りやすかったり、復帰しやすかったり、お互いの立場や意見が言いやすい空気があれば、ワークライフバランスが保てそうですね。

中村:会社としても、「妊娠出産をしてもキャリアを諦めないで続けて欲しい」という気持ちがあるので、制度を有効活動して仕事を続けていただきたいです。いろいろな制度がありますので、必要な時に利用できるような雰囲気作りはしています。

また若手でいえば、新入社員研修の場でも育児、介護、私傷病の制度について紹介しています。新入社員にとって“今”は関係なくて、“先輩や上司が使っているもの”だとしても、「こういう制度があるので、いずれ取る時が来るかもしれないし、知っておいてくださいね」と。「制度を知ることで安心してほしい」という思いがあります。

フジッコが取り組む、「心理的に安心」して働ける職場づくり。ひとりひとりの考え方や置かれた背景を知ることで、負担をシェアすることや、休むことへの抵抗意識が和らいでいくかもしれない。まず互いを知り、思いあうことで、ウェルビーイングな環境が整えられていくのだろう。

取材・文/コティマム

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