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フジッコが社員食堂を改革「おいしさ×けんこう食堂」で挑む食を通じたウェルビーイング

2024.08.01

心と身体の健康のベースは、“食”にあるといっても過言ではない。健康的な食事、そして楽しくおいしく食事できる環境が、人々の心と身体の“幸せでより良い状態”――ウェルビーイングにも結びついている。

(『ふじっ子 小袋』)

塩こんぶの『ふじっ子』や煮豆の『おまめさん』などで知られる食品メーカー・フジッコ株式会社では、“食”を通じて人々の健康や生活をサポートするウェルビーイング施策を行っている。

例えば、従業員が利用する社員食堂の改革や、消費者に大豆ヨーグルトを手軽に摂取してもらうためのコラボカフェの企画、そして昆布生産者の負担を軽減するための商品の開発など。従業員、消費者、生産者のそれぞれの“ウェルビーイング”を実現するための取り組みを行っている。

(フジッコ本社)

今回は、フジッコ人事総務部・総務施設グループの蘆田愛美さん、人事総務部ダイバーシティ推進グループの中村美理さん、コア事業本部の豊田麻衣子さん、広報室の青木祐緯さんに、取り組みについてお話を伺った。

マルシェ開催や他社食堂メニューの提供――第4金曜日を特別な食堂に 

社員食堂の改革は、2017年にフジッコに入社した豊田さんによって始められた。豊田さんの前職は海上自衛隊。フジッコに転職後は働き方改革や企業理念を再構築するプロジェクトなど、“組織”と“個人”の意識と行動を変革するための仕事に携わっていた。その中で、「お客様に健康的な食品を提供する食品メーカーとして、従業員もより健康でいてほしい」と社員食堂の改革を思いついた。

(フジッコの社員食堂)

海上自衛隊時代に“食事の良しあし”がどれだけ隊員の士気を鼓舞したかを身に染みて感じていた豊田さんは、2020年10月から毎月第4金曜日に『おいしさ×けんこう食堂』を実施。月1でとっておきのメニューを出したりマルシェを開催したりするなど、特別な時間を提供した。

その他にも、神戸市内のカレー屋さんのメニューの再現、老舗企業のレストランの味を提供、シェフを交換して他社の社食メニューを提供するなど、独自の取り組みを行った。月1の特別な社員食堂は従業員の間でも話題となり、コロナ禍にもかかわらず第4金曜日をめがけて100人を超える利用者が集まり、人気企画となった。

豊田さんが人事異動になった後も、蘆田さんが引き継ぎ、現在も取り組みが行われている。

DIME WELLBEING:『おいしさ×けんこう食堂』について教えてください

蘆田さん(以下:蘆田):毎月1回、第4金曜日に開催しています。弊社に有名レストランなどで働いていた調理師の資格を持つ者がおり、その方と一緒に毎月メニューを考えています。できるだけ“旬の食材”を使うことと、自社商品を使って、“フジッコだからできるメニュー”を考えています。普段は食堂を使わない方も、「この日は食べたいな」と思ってもらえるメニューを考えて提供しています。

(フジッコ社員食堂の厨房の様子)

D:フジッコさんの自社商品ですと、昆布、煮豆、大豆ヨーグルトなどを使用されているのでしょうか。

蘆田:そういった商品を、調味料や隠し味として使用するなど、さまざまなアレンジをしたメニューを提供しています。当社の商品を取り入れることで、自然と健康的なメニューになると思うので、「健康」を強調するようなヘルシーメニューよりは、みなさんに食べたいと思ってもらえることを意識しています。

豊田さん(以下、豊田):「塩分は控え目に!」と言われると、何となく叱られている気がしてしまう。“塩分が少なくても、おいしいと感じるものを出せばいい”、という考えで、“減塩味噌汁”の代わりに、旨味と栄養がたっぷり入った“ボーンブロススープ”を提供しました。他にも”糖分がたっぷり入ったドレッシング”の代わりに、“ヨーグルトで作ったお手製のドレッシング”、“白米”の代わりに”雑穀米”を提供するなど、「おいしさ」を実現するための工夫を凝らしています。

D:社員食堂を始める前から、社員の方が働きやすく過ごしやすくなるような健康経営やウェルビーイング施策をされてきたのでしょうか。

中村さん(以下、中村):フジッコでは2017年にダイバーシティの専任組織を新設し、女性活躍推進や多様な“人財”が活躍できる環境作りに着手してきました。社長メッセージとして「残業なし」の発信や有給休暇の利用促進などを通じて、大きく風土改革が進みました。

当時は「働き方改革」の文脈で語られることが多く、「健康経営」という言葉が社内で使われ出したのは2019年頃です。2020年から「健康経営」の取り組みを本格的にスタートさせ、2022年に健康経営優良法人に認定されました。2024年で継続3期目となります。

加速度的に進めることが出来たのは、当社に理念である健康創造企業という意識が根付いており、従業員の健康が、ひいては『お客様の価値(おいしさと健康)に繋がる』という考えを自然に受け入れること出来たためだと思います。

(フジッコ商品を使った社食メニュー)

【メニュー内容】
・きざみ蒸し大豆入り「キーマカレー」
・カスピ海ヨーグルトを使用した「フルーツラッシー」
・春野菜のサラダ
・スープ

D:『おいしさ×けんこう食堂』で出されるメニューは他の日と比べて特別なものなのですか。

蘆田:実は弊社の食堂はメニューが毎日決まっているわけではなく、1週間で献立が出ています。『おいしさ×けんこう食堂』の日だけは、私たちが考えたメニューを事前に社員に周知して、「こういうメニューをやりますよ」と公表しています。どちらかというと“いつもより豪華”、じゃないですけど、何か「目玉」になるようなものをつけて、公表するようにしています。過去には、兵庫県の農家から野菜を仕入れてメニューに使ったり、食堂でマルシェを開催したりしていました。

写真は、フジッコだから提供できる「旬の食材×たんぱく質×菌活」をポイントにしたメニューです。キーマカレーには、フジッコ商品の「混ぜてたんぱく質プラス きざみ蒸し大豆」「Beanusダイズライス」を使用し、高たんぱく質な一品に仕上げています。キーマカレーの隠し味には赤味噌(麹菌)、フルーツラッシーにはカスピ海ヨーグルトを使用して「菌活」を意識しています。

D:『おいしさ×けんこう食堂』に対する社員のみなさんの反応はいかがでしたか。

蘆田:食堂についてのアンケートをとったら、「毎月楽しみにしている」といった、うれしい声が多数ありました。「金曜日が固定で在宅になっているので曜日を変えて欲しい」「曜日をランダムにしてほしい」という要望もありました。

D:社員のみなさんに周知し、実施していていく中で、大変だったことや想定外だった点はありますか。

豊田:当時、フジッコ社員が“自分自身の健康”を後回しにしていることに気付かず、栄養バランスが不足している食事をしていることが気になったことから、『おいしさ×けんこう食堂』の実施を決意しました。

当時の社員食堂には味やサービスに致命的な問題はなかったものの、社員食堂に対して“特にプラスの感情”を持っている社員が少なく、「一度離れた社員の興味を、再び社員食堂に向けさせること」が大変でした。

コロナ禍を経て、世の中を含め「けんこう」に対する意識や意欲に大きな変化があったからか、想像以上に従業者が喜んでくれたことは想定外でした。また、当社の取組を記事化していただくことで他社からの講演依頼がありと、社外からの反応も良かったことに驚きました。

(社員食堂で食事を楽しむフジッコの従業員)

D:蘆田さんは、豊田さんから引き継がれて、今後どのように続けていきたいですか。

蘆田:毎月1回の開催ですが、何年もやっていますとマンネリ化も出てきているので、ちょっとイメージチェンジじゃないですけど、「変わったな」と思ってもらえるようなことはしたいなと思っています。

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