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覚えておきたい「リファラル」の意味とリファラル採用のメリット・デメリット

2024.08.11

「リファラル」は、「委託」や「紹介」などを意味する言葉。日常生活よりもビジネスシーンで使われる表現で、正しい意味や使い方を理解せずに見聞きしている人も少なくないはず。

そこで本記事では、「リファラル」の意味や関連語を解説する。さらに、リファラル採用のメリット・デメリットや注意点も紹介するので、この機会に確認しておこう。

リファラルとは

まずは、「リファラル」の意味を解説する。関連する語句とあわせて、ぜひ参考にしてほしい。

■委託や紹介、推薦を意味する言葉

リファラルとは、「委託」や「紹介」、「推薦」などの意味を持つ英語「referral」が語源で、主にビジネスシーンで用いられる。経営者や社員、外部の専門家から人材の紹介・推薦を受ける「リファラル採用」という言葉がよく使われている。リファラル採用は、売り手市場である現代の人材市場で注目されている採用方法で、人手不足の深刻化とともに重要性が増している。

■リファラル採用とは

リファラル採用とは、知人や関係者を紹介・推薦することで行われる採用手法。採用ページや人材紹介会社を経由する従来の方法とは異なり、社員のネットワークを活用する点が特徴だ。

紹介を通じて採用に至った場合、紹介者には報奨金やインセンティブが支給される場合がある。アメリカでは広く普及している方法で、日本でもベンチャー企業を中心にリファラル採用が行われている。

■リファラル営業とは

リファラル営業とは、社員や関係者から見込み客を紹介してもらう営業手法。飛び込み営業やテレアポに比べて、人件費を削減できる上に、はじめから一定の信頼関係がある状態で営業を進められるため、成約に結びつきやすいのがメリットだ。

■リファラルマーケティングとは

リファラルマーケティングとは、商品やサービスのユーザーが、友人や家族に紹介することで、その価値を広める手法だ。例えば、「あのお店の接客が良かった」「あのお店の料理が美味しかった」などの口コミは信頼度が高いため、紹介されたユーザーが商品やサービスを購入・利用するケースが多い。この手法は、ターゲットの信頼を得やすく、効果的なマーケティング手法として着目されている。

リファラル採用のメリット・デメリット

次に、リファラル採用のメリット・デメリットを紹介する。実際に自社でリファラル採用を検討する場合、自社にとって適切な採用方法なのか判断できるよう、チェックしておこう。

■メリット1. 採用コストの削減

一つ目のメリットは、採用コストが削減できる点。求人媒体や人材紹介会社を経由しないため、手数料などの経費を抑えられる。また、採用に関わる工数も減らせる。リファラル採用時には、業務内容や企業風土を紹介者が候補者に伝えるため、求人セミナーも必要ないからだ。また、面接の日程調整などの手間も省けるため、採用活動における人事部の負担が軽減できる。

■メリット2. 適切な人材とマッチングしやすい

リファラル採用は、適切な人材とマッチングしやすいのもメリットだ。例えば、求人広告を出しても、求める人材が応募してくるとは限らない。しかし、リファラル採用では社員に理想の人材像や採用基準を伝えておくことで、より適した人材の紹介が可能だ。紹介して入社する人材は企業文化や理念に共感しやすい傾向にあり、ミスマッチや入社後のギャップも少ない。

■デメリット1. 採用する人材のタイプが偏る可能性がある

リファラル採用のデメリットは、人材のタイプが偏りやすい点だ。紹介者と似た価値観や背景を持つ人材が集まりやすく、組織内の多様性が損なわれる可能性がある。このような状況では、新しい発想や議論が生じにくく、組織の成長が停滞するリスクがある。さらに、特定の社員の知り合いが集まることで、グループが形成され、組織運営に悪影響を及ぼす可能性もあるだろう。

■デメリット2. 実際に働き始めるまでに時間がかかる

紹介された人材が現職で活躍している場合が多く、内定を出してから実際に入社するまでに時間がかかることがある。そのため、急に人材が必要になったとしてもすぐに対応できない場合がある。特に優秀な人材はすでに他の企業で重要な役割を担っていることが多く、引き継ぎや退職手続きに時間を要するため、すぐに転職できるとは限らない。

リファラル採用時の注意点

最後に、リファラル採用時の注意点を紹介する。リファラル採用を自社で取り入れる場合は、該当する項目がないか確認しておこう。

■採用基準の認識を統一させる

社員が自社の採用基準を正確に理解しておくことが必要だ。紹介された候補者が求める人材像と異なる場合、ミスマッチが発生しやすくなるため、社員には採用基準や求める能力を明確に伝えよう。さらに、候補者自身が自社の事業内容や仕事内容を十分に把握していない場合もあるため、企業への理解を深められるよう、採用前に説明会や見学会を開催するのもおすすめだ。

■不採用時は紹介した社員のフォローを行う

候補者が不採用となった場合、紹介した社員へのアフターフォローは必須。紹介した社員は、自分が推薦した人材が採用されなかったことに対して不満を抱く可能性がある。紹介者と候補者の関係性が悪化するリスクもあるため、事前に、採用されない可能性もあることを紹介者や候補者に伝える必要がある。不採用時には、候補者に対して応募への感謝と不採用の理由を説明し、紹介者にも納得できる理由を伝えよう。

■紹介報酬(インセンティブ)を規定に記載する

リファラル採用を行う際、紹介報酬(インセンティブ)の金額を適切に設定し、就業規則や賃金規定に明記する必要がある。

なお、紹介報酬が高額すぎる場合や、採用成功時にのみ支給される場合は「有料職業紹介事業」と見なされ、法律違反となる可能性がある。有料職業紹介事業は、厚生労働大臣の許可を受けた事業者のみが行えるもので、無許可で行ってはいけない。

そのため、紹介は採用活動の一環として位置づけ、一部の業務に対する評価として賃金や給与制度に組み込む必要がある。さらに、就業規則や賃金規定に明記することで、法的リスクを回避し、正直かつ誠意のあるリファラル採用が可能だ。

※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。

文/編集部

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