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「でしょうか」は、相手に問い掛ける疑問表現です。説明したことや行動に対して不備がないか、相手に確認する場面でも使われています。
よく耳にする表現ですが、使い方を誤ると相手を攻撃している印象を与えかねません。そこで本記事では「でしょうか」の意味と使い方を解説します。また、気をつけたい間違った「でしょうか」の使い方も解説するため、マナーとして覚えておきましょう。
「でしょうか」の意味とは?
「でしょうか」は、推定を意味する「だろうか」を丁寧にした言葉です。
「だろうか」の丁寧な表現。
引用:デジタル大辞泉/小学館 |
「だろうか」は、「だろう」という予測に疑問をプラスした表現であり、特定の物事の可否を確認する目的があります。つまり、これは可能なのか、不可能なのかの答えを求める表現で、直接「してください」と強制力のある表現にするよりもマイルドです。
「これはできますでしょうか」と表現すれば、最終的な決定権は相手に任せている分、柔らかくお願いを伝えられます。
「でしょうか」の使い方
「でしょうか」は「でしょう」が「だろう」の丁寧語であるため、そのままでもビジネスシーンで使えます。
また、日常シーンでも相手に尋ねる目的や、何かをお願いしたい時に使う機会があります。主な使い方は、単純に質問が目的であるパターンと、相手から言われた言葉に反論したいという強い気持ちが隠れていることもあります。それぞれの使い方と例文を見ていきましょう。
■質問するシーンでの「でしょうか」の使い方
「でしょうか」を質問として使う際には、これからどうすればいいのか、時間はいつなのかといった必要な情報を質問したい時に使います。
例文
- 「明日の会議の時間は◯時で変更はないでしょうか?」
- 「資料に不備はございませんでしょうか?」
■お願い事をするシーンでの「でしょうか」の使い方
「でしょうか」を相手にお願いする表現として使う時には、「恐れ入りますが」などのクッション言葉を添えましょう。あくまでも相手にへり下って、自分の希望を伝える言い方にすることがマナーです。
例文
- 「恐れ入りますが、お見積もりを◯日までにいただくことは可能でしょうか?」
- 「誠に申し訳ありませんが、お打ち合わせの時間を変更いただくことはできますでしょうか?」
「でしょうか」の間違った使い方
「でしょうか」はよく使われる表現だからこそ、気づかないうちに誤用している可能性もあります。相手に失礼に当たらないよう、改めて正しい使い方を知り、間違った部分があれば今後注意しましょう。
■丁寧な表現は「ございますか」「おありですか」にする
「でしょうか」は敬語ですが、目上の人に使う場合は少しカジュアルな印象を持たれる可能性があります。
「でしょうか」か「ございますか」のどちらか迷ったら、より丁寧な「ございますか」を使いましょう。また、「お持ちでしょうか」という表現よりも、さらに丁寧な言い回しとして「おありですか」に言い換えることができます。特に初対面の相手や目上の人には、かしこまった敬語表現を意識すると失礼に当たらず、丁寧な印象を与えられます。
■「ありますでしょうか」は二重敬語
「でしょうか」と質問する際に「〜でありますでしょうか」と言うのは、「ある」と「だろうか」の2つを敬語にした表現です。
「あります」と「でしょうか」が続くため、二重敬語で不適切な言い方です。つい丁寧に表現しようとして二重敬語になりやすいので注意が必要です。「ありますでしょうか」ではなく、「あるでしょうか」や「ありますか」と、敬語が重ならない言い回しにしましょう。
■「よろしかったでしょうか」は間違った表現
「でしょうか」が文末になる表現で「よろしかったでしょうか」と使うことがありますが、これは「バイト敬語」として知られるものです。
「よろしかったでしょうか」と過去形を使っていますが、現在の相手に確認しているので、日本語として不適切です。「よろしかったでしょうか」と使うバイト敬語は避け、「よろしいでしょうか」と過去形にしない表現にしましょう。うっかり使ってしまうことが多いですが、間違った日本語を使う人だという印象を与えないように注意が必要です。
「でしょうか」は正しく使おう
「でしょうか」は普段からなじみがある表現だからこそ、気づかないうちに間違った使い方をしていることもあります。ビジネスシーンにおいて、正しくきれいな言葉を使える人は、それだけで信頼される印象を与えます。特に「でしょうか」は二重敬語になりやすいので、日頃の使い方を一度見直してみましょう。
文/shiro