エアの圧力と「ひとつきパーツ」で実現したゴリラのような突き
6月に発売された「ゴリラのひとつき」は、ふくらはぎ以外の部位にも適用できると判断されて企画された。「『ゴリラのひとつかみ』の発売から間髪入れず第2弾を発売しようということになったのですが、商品名とパッケージデザインが先に決まり全社展示会やメディア展示会でも告知されるという異様な展開になりました」と水島さんは振り返る。
足裏だとエアの圧力だけでは痛気持ちいい感覚が得られないことから、アタッチメントとして「ひとつきパーツ」を用意。位置を任意に変更することができ、刺激したいところに合わせて高さを2センチメートルと3センチメートルの2段階に変えることができる。強力なエアの圧力で「ひとつきパーツ」を押し上げるので、ゴリラに突かれたような痛気持ちよさを得ることができるというわけである。
「ゴリラのひとつき」本体。「ゴリラのひとつかみ」と同様、エアの圧力を強・中・弱の3段階で調整できるが、調整は電源ボタンを押して行なう。強だと電源ボタンが赤、中だと緑、弱だと青に光る
「ゴリラのひとつき」も片足分で専用ACアダプターを使用。開発に当たっては左右両方で使える形状にしなければならなかった。
また「ひとつきパーツ」の形状も悩みどころとなった。最初は丸形で考えていたが、人によっては痛気持ちよさが実感できないことから現在のような高さ3センチメートルの三角形に変更。ただ、今度は痛すぎるという問題に直面した。
この問題を解決するために、「ひとつきパーツ」は現在のように2通りの高さに変えられるように変更。下1段だけ使うと高さ2センチメートル、全2段使うと高さ3センチメートルにできるようにした。高さを変えられるようにしたことで痛さを軽減し、痛気持ちいい感覚を得られるようにしたのである。
足を置くところは面ファスナーになっており、「ひとつきパーツ」は任意の場所に取り付けることができる
発売に当たってはティザーサイトを公開したり商品名を当てた人に商品をプレゼントするキャンペーンをXで実施したりするなど、話題を喚起。商品名で一番多かった回答は「ゴリラのひとおし」だった。
取材からわかった『ゴリラのハイパワー』シリーズのヒット要因3
1.興味を引く商品名とパッケージ
健康家電に親しみがない若い女性に手に取ってもらうため、注目してもらえる商品名とパッケージデザインを採用。ゴリラを商品名とパッケージに使ったところが家電らしくなく、目を引くのに十分だった。
2.期待を裏切らない仕上がり
商品名とパッケージにゴリラを使う以上、強力なことが容易に想像できるがその期待を裏切ることはなかった。競合品では味わえない痛気持ちよさが実感できる。
3.競合品をベンチマークしなかった
ハイパワーであること以外は平凡な仕様だが、これは健康家電に親しみがない若い世代に試し買いしてもらえる低価格を実現するためのもの。競合品ではなく着圧レギンスをベンチマークしたから低価格にこだわり抜くことができた。
ユーザーの反応は「痛気持ちいい」「やっぱりゴリラだわ」といった使用感に言及するものが多い。中でも水島さんが嬉しいのが、自分と同じ感覚だという「痛いけど足がスッキリする」。使用感の良さから「皆に使ってほしい」とオススメする声や「ありがとうゴリラ」といった感謝の声も聞かれる。
シリーズ第3弾の発売も予定されている。ゴリラのパワーに癒される人はまだまだ増えそうだ。
製品情報
https://e-doshisha.com/gorilla_hitotsukami/
https://e-doshisha.com/gorilla_hitotsuki/
文/大沢裕司