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筆者は、今まで「家の近くにあるから」という単純な理由で、乾電池はコンビニで購入していた。しかし、引っ越ししたのを機に、やはり「近くにあるから」ということで、100円ショップに鞍替えした。
100円ショップの乾電池は、コンビニのものよりずっと安い。安すぎて不安になるくらいだが、果たして性能面で満足のいくものなのだろうか?
セリアvs三菱電機の勝敗はいかに?
「安物買いの銭失い」だったら嫌なので、まじめに検証してみた。対象は、セリアの乾電池。「Seria」とロゴが入っている、正真正銘のプライベートブランド(PB)だ。
セリアのPB乾電池は、単3形と単4形の2タイプ。それぞれアルカリとマンガンがある。単3形も単4形も、アルカリは4本パック、マンガンは6本パックとなっている。価格はどちらも110円。
念のために記しておくと、アルカリ乾電池もマンガン乾電池も、互いに似た素材・構造だが、二酸化マンガンと亜鉛の含有量はアルカリ乾電池のほうが多く、電解液は異なる。そのため、アルカリ乾電池は、フラッシュライトのような大きなパワーを必要とする機器に向いている。
対してマンガン乾電池は、置き時計やリモコンといった、小電力で動いたり、間欠的にしか使わない機器に向いている。マンガン乾電池が本数は多いからと、それなりのパワーを消費する機器に使ってしまうと、早くに消耗してしまい、かえってコスパは悪くなる(そもそもマンガン乾電池不可の機器は多い)。購入時の判断の前提として、そこは注意しておこう。
本題に戻ると、セリアのPB乾電池の包装には、「10年保存」「液もれ防止対策済み」といった、性能をアピールする文言は書かれていない。「水銀0使用」とはあるが、水銀が含まれる電池の生産は30年近く前に終わっており、ことさら差別ポイントではない。
よく見ると、「PAIRDEER」のロゴがあるが、これは中国の大手電池メーカーのブランド名。電池のリーディングカンパニーだそうで、信頼性の点では問題なさそうだ。
では、一番気になる性能面―どれぐらい長持ちするか―を確認してみよう。セリアの乾電池コーナーに、日本のトップブランドである三菱電機の乾電池もあったので、これと比較してみる。
セリアで販売されている三菱電機の乾電池
比較方法としては、単3形乾電池1本、単4形乾電池3本で灯るライト2本を用意。5時間点灯しっぱなしにしてから電池を外し、電池残量チェッカーで残量を確認する。なお、どちらのライトも新品の乾電池で10時間点灯する仕様となっている。
比較検証に用いたライト
まずは、セリアのアルカリ乾電池から。チェッカーは、未使用の乾電池で18レベルのゲージを表示するが、単3形は10レベル、単4形は14レベルの残量を示した(数値が高いほど残量が多い)。
一方、三菱電機のアルカリ乾電池は単3形で13レベル、単4形で14レベルであった。
同様にして、マンガン乾電池についても調べてみる。結果、セリアは、単3形で4レベル、単4形で8レベル、三菱電機は単3形で4レベル、単4形で8レベルであった。
この検証から見るかぎり、アルカリ乾電池の単3形は三菱電機のほうが少し上だが、ほかについては互角ということになる。どれもみな三菱電機が勝ちだと予想していただけに、意外であった。
■商品詳細
商品名:Seriaアルカリ乾電池
価格:110円
原産国:中国
材質:鉄ケース、二酸化マンガン、亜鉛、電解液
商品サイズ:単3形は長さ5cm×径1.3cm、単4形は長さ4.5cm×径1cm
種類:単3形、単4形
■商品詳細
商品名:Seriaマンガン乾電池
価格:110円
原産国:中国
材質:鉄ケース、二酸化マンガン、亜鉛、電解液
商品サイズ:単3形は長さ5cm×径1.3cm、単4形は長さ4.5cm×径1cm
種類:単3形、単4形
乾電池のおおよその残量がわかる「パワーチェック」
ちょっと意外なことに、セリアでは電池残量チェッカーが110円で販売されている。商品名は「パワーチェック」。使い方は、単1~単5の乾電池のプラス極とマイナス極を、所定の位置にセットするだけ。
セット時に1~3つのLEDが灯るが、3つ灯れば60%以上、2つ灯れば30~60%の間、1つだけだと10~30%の間の残量を意味する。「パワーチェック」自体の作動にはボタン電池(CR2032)が必要だが、テスト電池が入っており、これでしばらく使える。
筆者がふだん使っている(上の検証でも使用した)電池残量チェッカーは、約800円したものだが、ざっくりした残量を知るなら「パワーチェック」でまったく事足りる。乾電池の無駄遣いを減らし、買い替え時を知るのに便利なアイテムだ。
■商品詳細
商品名:パワーチェック
価格:110円
原産国:中国
材質:ABS樹脂
商品サイズ:縦cm×横cm×厚さcm
種類:-
一家に一つあると便利な乾電池の収納ケース
セリアには、乾電池を収納しておけるケースが大小2種類ある。大きいのは「乾電池救急箱」という名で、単1形が2本、単2形が2本、単3形が8本、単4形が4本入る。包装に「緊急時のストックに!」とあるように、万が一の自然災害に備えて常備しておくとよさそうだ。
小さいほうは「2段で入る乾電池ケース」。これは、単3形の収納に特化したもので、12本入る。上下2段重ねなのでコンパクトなのがいい。包装には、「上は未使用電池 下が使用済み電池に使い分けられる」とあるが、特にそうしたしまい方にこだわらなくてもよいだろう。
■商品詳細
商品名:乾電池救急箱
価格:110円
原産国:日本
材質:ポリプロピレン
商品サイズ:縦14.5cm×横12.5cm×厚さ4cm
種類:-
■商品詳細
商品名:2段で入る乾電池ケース
価格:110円
原産国:不明
材質:不明
種類:-
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撮影・文/鈴木拓也