経団連は、大手企業の2024年夏季賞与(ボーナス)の1次集計結果発表、平均額は98万3,112円と1981年以降で過去最高額となった。では、働く女性はどのぐらい夏のボーナスをもらったのだろう。
キャリアデザインセンターが運営する、女性の転職に特化した転職サイト『女の転職type』は働く女性305名を対象に「夏のボーナス」についてアンケートを実施した。
Q.1 2024年夏のボーナスはいくらだった?
女の転職type会員に、夏のボーナスについて尋ねたところ、「0(なし)」が54.8%で最も多い結果となった。2023年夏に「0(なし)」と答えた人は43.6%なので、ボーナスがもらえなかった人は11.2%増加している。
一方で支給された人の平均額を2023年と比較すると、33.4万円から35.6万円と微増していることがわかった。
Q.2 2024年夏のボーナスの満足度は?
2024年夏のボーナスの満足度を聞いたところ、「かなり不満足」が38.0%で1位となった。「やや不満足」13.4%と合わせると半数以上の人が不満足だと感じており、「かなり満足」「やや満足」を合わせた16.4%と比較すると、約3倍の開きがあった。
Q.3 2023年夏と2024年夏のボーナスの金額差の要因は?
2023年と2024年の夏のボーナスに金額差があった人にその要因を尋ねると、「会社の業績」30.3%が最も多い結果に。
「わからない」と答えた人を除くと、2位が「退職」19.9%、3位「自分の評価」14.7%となっており、自分のキャリア選択や働きぶりがボーナス額に影響している人も多いようだ。
一方で「わからない」と回答した人は18.5%にのぼり、ボーナス額の理由や評価について会社から説明されていない人が一定数いることがわかる。
Q.4 理想の夏のボーナスは?
理想のボーナス額について尋ねると、「50~99万円」が最も多く49.5%であった。一方、平均額は61.5万円で、実際の支給平均額である35.6万円と比較すると約26万円のギャップがある。
Q.5 2023年、2024年の夏のボーナスは何に使った(使う)?
2023年、2024年の夏のボーナスの使い道を尋ねたところ、どちらも1位は「貯金」、2位は「旅行・レジャー」という結果に。
2023年と比較すると、2024年は「旅行・レジャー」や「投資」、「趣味」、「スキルアップ」と答えた人の割合が大きく増えており、生活必需品よりも娯楽や投資にお金を使いたいと考えている人が多いようだ。
■女の転職type編集長 小林佳代子氏のコメント
2024年の夏のボーナス平均額は35.6万円と前年より微増しているものの、満足度については満足16.4%、不満足51.4%と不満足派が大きく上回る結果となりました。
単純比較はできないものの、経団連が発表した2024年夏季賞与(ボーナス)の1次集計結果98万3,112円と比べてみても大きな差があることがわかります。
また2023年と2024年のボーナスに金額差があった人にその要因を聞いてみると、「わからない」と回答した人が18.5%にものぼりました。
この要因として、会社側が従業員にボーナス額の理由や評価を充分に説明していない可能性が考えられます。こうした状況は、先ほど挙げたボーナス額に対する低い満足度の一因かもしれません。
ボーナス額は基本給をもとに計算されることが一般的です。女性は結婚や育児などライフステージの変化でキャリアが途切れたり、時短勤務を選択したりせざるを得ない状況になるケースも多く、必然的に基本給が低くなりがちなことから、ボーナス額に影響していることが考えられます。
こうした男女間の格差を解消するには、個人の努力だけでなく社会全体の意識改革が必要です。働く意欲のあるすべての人が、平等な環境で働きがいのある仕事ができるよう、女の転職typeはこれからもポジティブアクションを続けていきます。
調査概要
調査名:第91回「夏のボーナスどうだった?」/データで知る「女性と仕事」
調査期間:2024年7月2日~7月11日
有効回答数:305名
調査対象:女の転職type会員
調査方法: Web上でのアンケート
※調査データ(グラフ)は、小数点第2位以下は四捨五入しているため、合計しても100にならない場合がある。
※本調査は「女性」と性自認している方を対象に調査を行っている。
関連情報
https://woman-type.jp/academia/discover-career/data/vol-91/
構成/Ara