「棚から牡丹餅」の反対表現
棚から牡丹餅には、反対の意味を持つ表現もいくつかあります。ここでは、「青天の霹靂」と「蒔かぬ種は生えぬ」の表現を確認しましょう。
■青天の霹靂
「青天の霹靂」は「せいてんのへきれき」と読み、突然起きた衝撃的な出来事を意味する言葉です。「青天」は青く晴れ渡った空を、「霹靂」は雷を指します。晴れていたにもかかわらず突然落ちた雷に驚き、衝撃を受けることのたとえです。
好ましくない事柄に用いられることが多いため、偶然にも幸運を得る意味の、棚から牡丹餅とは対極に位置づけられます。「青天の霹靂としかいいようのない不祥事が発覚した」といった使い方をします。
参考:デジタル大辞泉
■蒔かぬ種は生えぬ
「蒔かぬ種は生えぬ」は「まかぬたねははえぬ」と読み、何もしていなければよい結果は得られないことを戒める意味のことわざです。棚から牡丹餅は、何もしていない状況で幸運を得ることのたとえであるため、反対表現といえるでしょう。「蒔かぬ種は生えぬとはよくいったもので、努力しなければ成果は出ないだろう」などと使います。
参考:デジタル大辞泉
「棚から牡丹餅」の意味や類似表現を知ろう
棚から牡丹餅の意味は、「苦労せずに思いがけない幸運を手に入れること」です。幸運を得られるように努力していたわけではなく、あくまでも偶然、幸運を得る状況をあらわします。思いがけない幸運を意味する類似表現としては、「もっけの幸い」「鴨葱」「嬉しい誤算」「願ってもない話」などがあります。
棚から牡丹餅は、日常的にも使われる言葉です。正しい意味を理解して、使いこなせるようにしておきましょう。
構成/橘 真咲