「果報は寝て待て」の反対表現
果報は寝て待ての、反対の意味をあらわす表現としては「棚から牡丹餅」や「運を待つは死を待つに等し」などが挙げられます。それぞれの意味や使い方を解説します。
■棚から牡丹餅
「棚から牡丹餅」は「たなからぼたもち」と読み、偶然、予想もしなかった幸運が訪れることをたとえたことわざです。「寝ているときに棚の牡丹餅が偶然落ちてきて、口に入った」という、努力とは無縁なラッキーな状況をあらわします。
果報は寝て待ては、精一杯努力をした結果は焦らずに待とうという意味であるため、対照的な意味といえるでしょう。
【例文】
・ほぼ面識のない取引先から受注を得られるなんて、棚から牡丹餅だ
・このタイミングでライバルA社のエースが退職したのは、棚から牡丹餅な状況だ
参考:デジタル大辞泉
■運を待つは死を待つに等し
「運を待つは死を待つに等し」は、何の努力もせずに幸運が訪れるのを待っているのは、自分の死を待つのと同じという意味のことわざです。
運は自らの努力によってのみ、切り開けるという教訓です。「十分に努力をしたなら、よい結果は焦らずに待とう」と推奨する果報は寝て待てとは、反対のニュアンスを持ちます。
【例文】
・運を待つは死を待つに等しというように、プロジェクトの成功をただ待つだけでなく、積極的に行動してリスクを取らなければならない
・新規顧客の獲得を目指すなら、積極的に営業活動を続けるのみだ。運を待つは死を待つに等しというではないか
「果報は寝て待て」の正しい意味を理解しよう
果報は寝て待ては、何の努力もせずに寝ているだけで幸運が訪れてくれるという意味ではありません。
「幸運の訪れは人間の個々の力の及ぶものではないから、焦らずに待て」という意味であり、努力をした結果をハラハラしながら待つ人に対する、メッセージといえます。意味を間違えやすい言葉であるため、正しく理解しましょう。
構成/橘 真咲