知識やスキルなど〝得意なこと〟を売り買いできる、スキルマーケット『ココナラ』。自分の「苦手」を誰かの「得意」にカバーしてもらう、というこの事業は誰にでも心を開き、ワクワクする方向に舵を切る創業者の幸せへのまなざしから生まれていた。
2012年創業、2024年現在までに、会員数約423万人、出品数約80万件を誇る日本最大級のスキルマーケットに成長。2021年に東証マザーズ(現グロース)に上場。2022年、ココナラスキルパートナーズを設立し、ベンチャーキャピタル事業も開始。
何かをすすめられたら「明日やります」!?
──日々実践している習慣は?
対人関係では「自分から勝手に心を開く」ことです。居酒屋で恋愛のことを話されるとついこっちも恋愛事情を話しちゃう、みたいな瞬間ってありませんか。そんな風にこちらから心を開いてしまえば、誰とでも本音で話せる関係を築けますよね。
一方で、勝手に期待をして、勝手に裏切られたと思う〝合意なき期待〟はしません。たまにニュースで芸能人の不倫とかを見て「あんな人だと思わなかった」と言う方もいますが、みずから生きづらい世の中を作ってないかな、と思ってしまいます。
──趣味や運動の習慣は?
誰かに何かをすすめられたらすぐやってみます。実は今日も朝5時半に起きて泳いでから来たんですが、それも6年ほど前たまたま出会った人にすすめられ「明日行きます!」と始めたものでした。誰かが楽しんでいることって何かが楽しいはずなので、きっかけがあれば試してみたいんですね。
──成功体験に結びつく習慣は?
ツイッター(X)でおもしろいと感じる人に会いに行っていたことがあります。実は、一緒にココナラを創業した仲間とはその時に出会いました。ラグビー観戦の仲間など元々いろんなコミュニティを作ることが好きで、この時も「仕事に結びつけよう」などと考えず、価値観でつながれる人と会っていたのがよかったですね。
──そのほうが、創造的な何かが生まれやすいのかもしれませんね。
モチベーションを理解しそれを事業化する
──南さんの価値観とは?
私には「皆がモチベーション高く、自分らしく、ハッピーに生きられる世の中を作りたい」という願望があるんです。
例えば高校生の時に、何となく得意な教科で文系か理系かを決めて大学を目指すことに疑問を持ち、いったん「自分の性格から考えてこれなら楽しめそう」と世界を飛びまわる商社マンを目指しました。仮にでも「ここに向かおう!」と思わなければ、ゴールに進もうという感情は生まれませんから。
──自分のモチベーションと向き合う習慣があるんですね。
はい。ちゃんと「なぜこれをやるんだ?」と考えたうえでやりたいんです。逆に「皆がやっているから」と理由なく従うのは好きじゃありません。今、私は自分の子どもに「背を向けるな。斜に構えて生きろ」と言っています。
当たり前のことにはそうなった合理的な理由もあるから、背を向けちゃいけない。でも、盲目的に従う必要はないよ、といった意味で伝えています。