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最近よく聞く「ファブレス企業」とは?覚えておきたい向いている業態とメリット、デメリット

2024.08.09

ファブレス企業は国内で増加しており、外部に生産を依頼することで、自社は開発やマーケティングに集中できるなど、さまざまなメリットがあるビジネスモデルです。

今後も注目されていくファブレス企業とは何かをご紹介します。メリットやデメリット、成功させるためのポイントも解説するため、ぜひ参考にしてください。

「ファブレス企業」とは?

「ファブレス企業」は生産を行うための自社工場を持たない企業を指しています。

このファブレス(fabless)は英語で「fabrication(製造)」と「-less(〜がない)」を組み合わせた造語です。直訳すると「製造施設がない」となります。

ファブレス企業とは反対に、製造を担当する「ファウンドリ企業」があります。ファブレス企業は生産をしない代わりに、製品の開発に集中したり、商品を広く売るためのマーケティングなどに力を入れたりできるのが特徴です。

自社工場で企画から生産まで一貫で行う企業もありますが、あえて自社で行う業務の範囲を狭めるからこそ、さまざまなメリットがあるのです。 

「ファブレス企業」が向いている業態

ファブレス企業は向いている業種もあれば、避けた方が良いものもあります。

ファブレス企業が向いている業種を紹介していきます。

・半導体メーカー

・インテリアメーカー

・デジタル機器メーカー

特に半導体やデジタル機器は製品の開発競争が激化しており、毎年新機能を搭載した製品が作られています。

製造のサイクルがとても短いため、企画やマーケティングに注力して製造自体は別の企業に委託することで、販売スケジュールを考えやすくなります。

また、広いスペースと、専門的な技術が必要になるインテリアも、製造だけはインテリアや家具専門の企業に依頼するケースも少なくありません。

「ファブレス企業」のメリット

ファブレス企業ならではのメリットを活かすと、効率的に企業を成長させられる可能性があります。ファブレス企業のメリットの中でも、代表的な3つのポイントをご説明します。

製品やサービスの開発に注力できる

ファブレス企業は製造のための工場施設を用意したり、資材や人材確保のためのリソースを削減できたりします。その結果、今の企業の人員や設備で、開発や研究にのみ集中できるのです。

新商品の開発に力を入れられれば、商品の品質を高めると同時に、ほかの企業と商品のレベルで差をつけることも可能でしょう。

市場変化に対応しやすい

ファブレス企業に多い半導体やデジタル製品は、新しい製品が続々と登場するジャンルです。

企画から製造まですべて自社で行っていると、新商品開発のたびに莫大なコストがかかってしまいます。また人員を確保できないと、市場変化に合わせてすぐに新製品やサービスを発表できるとは限りません。

ファブレス企業は企画開発にすぐ取り掛かれるうえ、同時並行してほかの企業に製造を依頼できます。

一から工場を作らなくて良いため、初期投資を抑えられる分、市場に合わせたビジネスを展開できるのです。スタートアップ企業など、資金にゆとりがない状況でも、柔軟に対応できる分市場競争に追いつけるという魅力もあります。

製造コストを下げられる

外部に製造を依頼することで、製造費を下げられる可能性もあるのがファブレス企業のメリットともいえます。もともと設備が整った工場に依頼するのなら、初期費用をおさえられるうえ大量発注も依頼できるでしょう。

大量発注の場合であれば、その分コストダウンも可能になるのです。また、外注する企業を複数に分散させれば、1つの企業で製造トラブルが起きても対応しやすく、全体の納期短縮にもつながります。 

「ファブレス企業」のデメリット

ファブレス企業はたくさんのメリットがありますが、外注に頼るからこそのデメリットもあります。

情報漏洩の可能性がある

ファブレス企業は外部に製造を依頼するため、技術やアイデアの情報漏洩リスクは常に伴います。

類似品を製造されるなどの不利益につながるケースもあるため、契約書による詳細な取り決めや、信頼できる委託先を見つける必要があります。 

品質管理しづらい

ファブレス企業は外部に製造を依頼するため、品質管理しづらいデメリットがあります。特に複数の企業に委託していると、企業ごとに品質のムラが起こりやすいのです。

ただ外注コストを抑えられる企業に依頼するのではなく、技術の面でも信頼できる企業を探す手間がかかるのです。 

外注コストが高くなるケースもある

外注に頼ることにより、かえって製造コストが高くなるケースもあります。大量発注だと費用を抑えられるものの、小ロットの依頼はどうしてもコストが高くなりがちです。

反対に大量製造した結果、在庫が過剰になるリスクもあります。売上が安定している製品であれば、自社で製造した方が全体的なコストカットになる場合もあるのです。

「ファブレス企業」を成功させるためのポイント

ファブレス企業はメリットとデメリットを把握し、失敗リスクをできるだけ減らすことが大切です。

ファブレス企業として経営を成功させるために、重要なポイントを解説します。 

パートナーとなる外注企業を見極める

ファブレス企業は外注企業のレベルによって、製品やサービスの品質に大きく影響が出てしまいます。パートナー企業として、信頼できるところを見つけられるかどうかが、ファブレス企業の成功のカギといえるでしょう。

品質管理の徹底、情報漏洩のリスクが少ないなど、安心できる企業を見つける事を最優先しましょう。 

企業内の人材育成に力を入れる

ファブレス企業は企画や開発に力を入れています。また、マーケティングなどの販売に関する専門知識、経験を持った人材がいてこそ、競合他社との競争に勝てるのです。

マーケティングや商品開発における人材育成に力を入れて、常に革新的なアイデア商品を提供できる環境を整えましょう。 

スムーズな外注委託の体制を作る

スムーズな外注委託ができないと、品質にばらつきが出やすいだけでなく納期の遅れなど、商品全体の問題につながりやすくなります。

外注に委託するまでの工程をマニュアル化し、品質を保つための管理体制を見直すなどの、仕組みづくりが求められるのです。 

ファブレス企業のメリットを活かそう

ファブレス企業は開発やマーケティングに注力できる魅力がある一方、製品づくりを外部に任せるため品質管理の課題があります。

うまくデメリットをフォローできる体制づくりができれば、企業としてさらに発展していけることでしょう。

文/shiro

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