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「理念」は「企業理念」など、ビジネスシーンでよく耳にする言葉です。ほかにも、似た言葉としてミッションやビジョンなどもあり、使い分けようと思っても意味を理解していないと、誤用につながってしまいます。
本記事では理念の正しい意味のほか、ミッション、ビジョンとの違いや、言い換え表現をご紹介します。
「理念」とは?
「理念」とは、特定の物事で「このようにあるべき」という考え方を表している言葉です。ビジネスシーンでは企業理念、経営理念など、組織を運営するうえで大切にしている目標や、考え方を伝えています。
なぜその会社が存在するのか、その意義を伝える目的もあり、企業理念を通じて会社が今何を大切にしているのか、将来何を成し遂げたいのかといった姿勢につながります。
■「理念」の意味
「理念」は辞書で、根本的な考え方を表す言葉として紹介されています。
1 ある物事についての、こうあるべきだという根本の考え。「憲法の—を尊重する」 2 哲学で、純粋に理性によって立てられる超経験的な最高の理想的概念。プラトンのイデアに由来。イデー。 3 物事の、そうなるに至った理由。わけ。事情。「そんな—で明日は伺えない」 引用:小学館 デジタル大辞泉 |
「理念」は「こうあるべき」というはっきりとした考えを意味します。「理念」はもともと哲学思想の1つであり、先に企業としての考えがあってこそ、その先にどう経営するかという経営理念が成り立っているのです。
理念・ミッション・ビジョンの違い
ビジネスにおいて「理念」と似た意味として使われる「ミッション」「ビジョン」という言葉があります。
どれも企業が大切にしている内容ではありますが、理念は根本的な考えを意味しており、ミッションやビジョンは未来に向けた目標と言えるでしょう。
ミッションは企業が成し遂げたい目的や、将来なりたいビジネスの形を意味しています。そしてビジョンは、企業理念を元に考えられた成し遂げたい目標を指します。
企業理念は、考え方を表しているところが「ミッション」「ビジョン」との大きな違いとなります。
「理念」を持つ理由
企業理念や経営理念は、長期にわたって企業が発展し、貢献していくために必要な考え方。
ここでは、そんな理念を持つ理由を紹介していきます。
■長期的な計画を立てられる
企業理念がはっきりしていると、長期にわたる企業としての成長プランを立てられます。理念がない状態のままでは、ただ売上を上げるだけなど目的が不明瞭になってしまいます。
理念を持つことで企業として計画のもと、どんどん成長していけるのです。現状維持のみでは、やがて顧客のニーズを満たせなくなってしまいます。長期的な計画があれば、今後の新しいビジネス展開を考えるきっかけにもつながるでしょう。
■経営方針の軸がブレない
経営理念があると、方針がブレずに明確にビジネスプランを立てていけます。世間は日々めまぐるしく変わり、流行や社会現象があります。
目先の利益を考えてビジネスの計画を立ててしまえば、本来の企業を設立した時の理念とは違った結果につながってしまうのです。流行や周囲からの意見に流されず、理念を持って行動できればビジネスのさまざまな場面で、迷わずに行動することができます。
■社員のモチベーションにつながる
企業理念がしっかりとあれば、社員やチームのモチベーションアップにもつながります。
リーダーである企業のトップが常に迷っていては、社員はどう振る舞っていいのかわかりません。社員も企業の理念が自身の理念となり、仕事に高い意識を持てるのです。
すると、仕事に対する効率化やパフォーマンスの向上になり、組織全体の強化に役立ちます。