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アジア7か国におけるホワイトカラー人材の市場動向、新規求人数はインドを除いて前年水準を下回る

2024.07.23

世界11か国で人材紹介事業を展開するジェイ エイ シー リクルートメント(以下JAC)は、JAC グループ各社の拠点を展開しているアジア各国における2024年4月~6月のホワイトカラー人材紹介の市場動向を発表した。

本稿では同社リリースを元に、その概要をお伝えする。

ジェイ エイ シー リクルートメント アジア各社の求人数増減一覧

※アジア各社の求人数については、アジア各社が意図的に講じた戦略(高額帯年収の求人やスペシャリスト層求人に特化するなど)により、増減する場合もあります。そのため、アジア各社の求人数の増減は、各社の業績を直接反映するものではありません。

■全体総括

<JAC Recruitment 海外進出支援室 室長 チーフアナリスト 佐原 賢治 氏>

アジア各国の経済は、需要が旺盛な北米向け輸出の伸びや対内直接投資の拡大などにより成長を持続している ものの、成長率は 2023 年から鈍化している国も多く、それに連動するように新規求人数はインドを除いて前年の水準を下回りました。

これらの国では大国の政治・経済動向に影響を受けるため、引き続き国際情勢に注意は必要ですが、脱中国依 存に伴うサプライチェーンの再構築のため、特に ASEAN 諸国では今後も対内直接投資の伸びが経済成長を牽引すると思われます。

日系企業においては、従来の対日系ビジネス中心の経営から、より現地に密着したビジネスへと進化させ、国内投資によって拡大する市場の捕捉を狙う方針をとる傾向がみられ、その動向は求人募集の内容に表れています。優秀な現地人材を獲得する採用競争は一層激しさを増しています。

シンガポール:COMPASS 制度の現状における シンガポール人求職者と外国人求職者の明暗

<JAC Recruitment シンガポール法人 社長 ファハド・ファルック氏>

求人数前年同期比:79%

求人数前期比(過去3年)

■国内情勢

2024 年 4~6 月のシンガポール経済は、世界経済の不透明さへの懸念にもかかわらず、堅調な成長を維持しました。GDP 成長率は前年比 3.2%と予想を上回り、失業率も低水準をキープしています。特に好調だったのは製造業と金融・保険業です。一方、観光業は中国からの渡航者減少で回復が鈍化し、小売業は物価上昇で低迷しています。政府は財政・金融政策を通じて景気対策を継続しています。先行きについては、世界経済の減速懸念が不透明さを増しており、米国・中国の景気後退や地政学的リスクが懸念材料となっています。政府はこれらのリスクに備え、経済の安定化に向けた取り組みを続ける方針です。シンガポール人の雇用安定化を図るため、就労ビザの引き締めなどを通じて外国人雇用の規制を続けています。

■企業の採用動向

昨年 9 月からの新ビザ取得基準制度 COMPASS の影響で、日本人比率の高い企業は就労ビザ取得が困難となっており、就労ビザが必要な日本人求人が減少しています。大手企業では、COMPASS の影響を受け、積極的にシンガポール人材を採用することで、日本人比率を低下させる動きが活発です。現在就労している日本人スタッフの就労ビザ延長や、日本から赴任する駐在員の交代要員向けの EP(就労ビ ザ)の新規取得は許容されていますが、現地採用のポジションについてはシンガポール人や永住権保持者に限定する企業が増加しています。COMPASS の企業側審査項目である国籍の多様化、ローカル従業員の雇用比率において、自動的に 20 ポイントが付与される総スタッフ人数25人未満の中小企業では、引き続き日本人向けの求人を行うケースも見られますが、その数は多くなく、限定的な状況といえます。

■求職者の動向

2024 年 4~6 月期のシンガポール求人市場は、世界経済の減速懸念が影を落とす中、求職者動向に明暗が分かれました。シンガポール人・永住権保持者は、景気減速懸念にもかかわらず、自身の市場価値を探るべく積極的に求人情報収集を行ない、キャリアアップや給与アップ、ワークライフバランス改善などを求めて転職活動を行いました。一方、外国人求職者にとっては厳しい状況が続きました。ビザ更新が認められず、新たな就労ビザ取得も困難な状況に直面した求職者が増加しています。さらに、部門の海外移管に伴い、転職を余儀なくされるケースも発生しています。

マレーシア:資格よりもスキル重視の採用へ

<JAC Recruitment マレーシア法人 社長 ニック・テイラー 氏>

求人数前年同期比:100%

求人数前期比(過去3年)

■国内情勢

世界経済が困難に直面する中、マレーシア経済は回復力を示しました。2024年のGDP は高い成長率を維持しています。良好な労働市場環境、堅調な金融部門、高い国民貯蓄などの要因がこの勢いに貢献しました。製造業では大きな変化はありませんが、改善の兆しが見え始めています。

■企業の採用動向

マレーシアでは、政府が温室効果ガス排出量を 2030 年までに 2005 年比で 45%削減し、2050 年までにカー ボン・ニュートラルを達成することを宣言して以降、再生可能エネルギーなどに関するインセンティブが次々に発表されているため、企業の社会的責任(CSR)を採用戦略に組み込む企業が増えています。また、データ センター、デジタルトランスフォーメーション、自動化技術に積極的に投資しています。特に、人工知能 (AI)、自動化などに関連するスキルは高い需要が見込まれており、企業は従来の資格から特定のスキルに重 点を移しつつあります。

■求職者の動向

競争力のある福利厚生、ワークライフバランス、協力的な職場環境は、求職者にとって重要な要素です。リモートワークもその一つになるかと思われますが、選択肢として今後も増え続けるとみています。また、資格よりもスキルが重視される傾向があるなかで、スキルアップ・プログラムは、スキルギャップを埋めることで、労働力を強化する重要な役割を果たすようになるため、求職者はそのような取り組みをする企業を高く評価しています。従業員の全体的な経験を向上させることを優先する組織は、ポジティブなブランドを確立することにつながっています。

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