目次
ビジネスシーンで使われる言葉は、各業界でのニュアンスが異なる場合がある。簡潔な報告や説明を意味する「ブリーフィング」もそんな表現の一つだ。ブリーフィングを使わない業界で働いている場合は、どんな意味を表すのかイメージできない人が多いはず。
本記事では、「ブリーフィング」の意味や例文、業界ごとの使い方や類語、ブリーフィングが含まれるビジネス用語を解説する。
ブリーフィングとは?
まずは、ブリーフィングの意味や語源、使用シーンから見ていこう。
■簡潔な報告や説明のこと
ブリーフィングとは、簡単な報告や説明を意味し、さまざまな業界で使われている言葉。
とくに時間を厳守しなければならない航空業界では頻繁に用いられている表現で、フライト前に担当者が天候や乗客の情報、注意事項を報告することを指す。また、外資系企業では会議ではなく、短時間で完了する報告・確認を行うことを意味する。
■ビジネスシーンでのブリーフィングとはどういう意味?
ブリーフィングは、ビジネスシーンでは「社内での簡単な情報共有」を意味する。ただし、社外の人との打ち合わせや情報共有はブリーフィングとは呼ばないのが一般的だ。
繁忙期など、やるべき仕事が多数発生する際には、担当者ごとに業務の要点の認識がズレやすい。このような場合にブリーフィングを実施すると、担当者間で確認できるためミスの防止につながったり、目的や目標を再認識できたりすることにつながる。
■ブリーフィングの語源
ブリーフィングの語源は、戦闘概況や戦況要約を意味する英語表現「briefing」。
「briefing」はもともと軍事用語として用いられており、時間に余裕がない戦闘中の、簡潔かつ的確な報告・指示を意味していた。この使い方が派生して、簡潔な報告や説明を表すようになり、航空会社や医療業界、スポーツ界などで用いられている。
■使用シーン
簡単な報告や説明を意味するブリーフィングの使い方は、以下通り。単語を使いこなせるように、例文を確認しておこう。
【例文】
「次回の企画に関してブリーフィングを行いたい」
「始業前に本日のイベントのブリーフィングを行った」
「ブリーフィングにベストな時間はいつだろうか」
「クライアントに会う前にブリーフィングをしておきたい」
業界ごとのブリーフィングの使い方
次に、業界ごとのブリーフィングの使い方を紹介する。場面に応じて適切に言葉を使えるよう、正しい使い方をチェックしておこう。
1. 医療業界
医療現場におけるブリーフィングは、医師や看護師などのスタッフ間で患者の状態や治療内容をシェアするための打ち合わせを意味する。ブリーフィングを行うタイミングは、始業前や手術前などがある。
また、ブリーフィングは「短時間の」「簡単な」という意味合いを持つが、人命救助に関わる現場のため「手軽な」打ち合わせではなく、「簡潔かつ的確な」打ち合わせのニュアンスが強い。
2. 航空業界
航空業界のブリーフィングとは、フライト前に乗務員で行う打ち合わせのこと。天候や乗客の状態、サービス内容や緊急時の対応を情報共有する。また、機長や副操縦士が実施する打ち合わせを「ディスパッチブリーフィング」、客室乗務員たちが行う打ち合わせを「プレブリーフィング」と呼ぶ。
3. 建築業界
ブリーフィングは、建築業界でも使われている。企画・設計を行う段階で、注文主の目的やニーズ、条件などを明確にするための事前打ち合わせを意味する。
4. 政界
政界では、「ブリーフィング」ではなく「インテリジェンスブリーフィング」が用いられている。これは、国家の安全保障上の観点から情報を収集・分析し、政府や首脳に報告することを意味する。
ブリーフィングの類語
続いて、ブリーフィングの類語を紹介する。ブリーフィングと似た意味を持つ表現を知りたい場合は、ぜひチェックしてほしい。
1. ミーティング
少人数の集会や会合を意味する言葉。ミーティングはブリーフィングと異なり、ある程度の時間をかけて議論し、結論を出すのが目的だ。
【例文】
「今後は定期的にミーティングをする予定だ」
「私たちは、ミーティングをするために密会した」
「あれはミーティングをするために造った建物だ」
2. カンファレンス
会議や協議会、相談や会談を表す言葉。学会や講演会などの規模が大きい集まりを意味する際にも使える表現だ。
【例文】
「カンファレンスをする場所を決める必要がある」
「社外取締役がカンファレンスを行う時間を確認しなければならない」
「今度のカンファレンスは、北海道で開催する予定だ」
3. レクチャー
講義・講演、説明を指す表現。また、これらを行うこと自体も「レクチャー」と表す。
「仕事のことは彼女にレクチャーしてもらったんだ」
「先輩からの業務のレクチャーがとてもわかりやすかった」
「いよいよ君も後輩にレクチャーするときが来たな」
ブリーフィングが含まれるビジネス用語
最後に、ブリーフィングが含まれるビジネス用語を解説する。ブリーフィングと意味を混同しないよう、参考にしてほしい。
1. エレベーターブリーフィング
エレベーターブリーフィングは、ブリーフィングから派生した言葉の一つ。
多忙な上司がエレベーターに乗っている短い時間のなかで、業務内容の主旨・選択肢・判断基準・結論を伝えて、次のアクションの指示や承認を仰ぐ手法を指す。上司が頷くだけで意見を伝えられるよう、部下側が情報や選択肢を十分に用意しておくと、スムーズに進むだろう。
2. ブリーフィングシート
ブリーフィングシートもブリーフィングから生じた表現で、大規模の会議・会合が行われる前に配布される資料を指す。
一般的には、A4用紙1枚程度で要点がまとめられている。ブリーフィングシートは、会議の途中で内容がわからなくなっても、記載されている情報を見るだけで内容が把握できるのが利点だ。
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。
文/編集部