テレワークで働く人の健康管理が今、会社の問題になりつつあります。
パーソルキャリア株式会社
Job総研担当
高木理子さん
就職・転職やキャリア全般に関する研究や調査を行ない、市場の現状と未来を分析する業務を担当。
Data1の予報を見ると、今年の夏も平年以上に暑くなるという……。そこで今回は夏のワークスタイルのデータを調べてみた。
Data2によると、外で働く人のほうが危険だが「室内で働く人にもリスクがあるようです」とJob総研の高木さんは話す。
「弊社の調査の中で建物の中と外の気温差が大きくなり、出入りの際に体調を崩すという声がありました」(高木さん)
冬の風呂場で起こるヒートショックのように、夏も温度差で体調を崩す人も出ているのだ。
「クールビズで推奨されている室内温度28℃でも、人によって体感温度には異なりますし、外の気温が30℃の時と35℃の時では冷風を出す出力が異なるため、エアコン近くの席の人は体が冷えすぎてしまいます」(高木さん)
外のイベントでは夏の甲子園や中央競馬の一部日程では2024年から12~15時に開催を休止する暑さ対策が実施されるが、涼しい室内も対策が必要なのだ。
Data3〜5を見ると、テレワークで多くを解消できるように見えるが……。
「家の冷房を強くして体調を崩すと業務中に起きた疾患のため、会社の健康管理の責任が問われます。テレワークで働く人の健康管理が今、企業の課題となっています」(高木さん)
猛暑が当たり前となっていく日本の夏。暑さを乗り切って働くためには、法整備を含めた取り組みが必要だ。
Data1|2024年夏も記録的猛暑の可能性大!
西・東日本では、気温が平年より高くなる確率が60%以上!!
連続64日の真夏日を東京で記録した2023年の夏。このスタートとなったのが7月6日だったことから、今夏も7月上旬から蒸し暑い日が続くだろう。
※気象庁発表の「暖候期予報」のデータを基に編集部で作成。
Data2|今や殺人的な暑さ!
外で働く人だけでなく、内勤の人も熱中症に要注意!!
熱中症になった人が2018年をピークに減少傾向にあるのはテレワークの普及によるものだろう。ただ2017年以前と比較すると増加傾向だ。
電動ファンの付いた作業服の普及や、関西万博の会場に移動式コンビニが登場するなど、建設業の現場では熱中症対策が進んでいる。