コロナ禍で若い世代に刺さったメッセージ
『ブレンディ スティック』は2021年から全フレーバーでメッセージ付スティックを採用した。メッセージは全部で180種類。もともとは2016年に実施したココア・オレのキャンペーンで採用されたものだった。
「ココアはくつろぎたい時に飲まれることが多いので、くつろぎたい気持ちに寄り添うメッセージがスティックに書いてあったら、その時間を充実させられると思い始めました」
桐山氏はメッセージ付スティックを始めた理由をこのように明かす。やってみたところ好反応が得られたことから、徐々に他のフレーバーへと採用を拡大し、現在のように全フレーバーへの採用に至った。
全180種類のメッセージのテーマは大きく、前向き(その調子、その調子。など)、はげまし(鳥が応援してるぞっ♪など)、のんびり(のんびりするってすてきなこと。など)、甘やかし(そのままのキミで、いいんだよ。など)、和み(笑う角には羽ふわふわ~。など)、ほっこり(キミの笑顔が大好き~。など)の6つに分けられる。それぞれ30種類ずつ用意されているが、以下のようにテーマごとに使う商品が決まっている。
のんびり:紅茶系
前向き:カフェオレ系(パッケージに示されている甘さレベル3以上)
はげまし:カフェオレ系(同3未満)
甘やかし:ココア・オレ
和み:抹茶オレ
ほっこり:ほうじ茶オレ
全フレーバーで採用されることになった2021年はコロナ禍だったことから、SNSでは「前向きな気持ちになれた」「自分のことを言い当てられた」といったポジティブな反応が得られた。「生活者の気持ちに寄り添えている感触が得られました」と桐山氏。とくに20代をはじめとした若年層が同社のお客様相談室宛に手紙や電話、メールで、メッセージに対する感謝の気持ちを伝えてきたという。
スティックに印刷されている全180種類のメッセージ。一緒に印刷されている鳥のキャラクターはアーリーバードと名付けられている
リニューアルで売上が伸びたカフェオレ以外のフレーバー
現在販売されている全16種は2023年8月にパッケージをリニューアルした。『ブレンディ』ブランドのロゴの存在感を残しつつフレーバーごとの個性を表現し、自分好みのフレーバーを見つける楽しさや手に取りたくなるワクワク感を覚えるようなデザインに一新した。
「リニューアルによって2023年下期の売上を大きく伸ばすことができました」と成果を口にする桐山氏。とくに、定番のカフェオレ系フレーバーはもちろん、紅茶やココア、抹茶などのカフェオレ以外のフレーバーも大きく売上を伸ばした。
「それまではカフェオレでくつろぐことを消費者コミュニケーションの軸にしていましたが、若年層のユーザー獲得も意識したことから、リニューアルに合わせて実施することにした消費者コミュニケーションではバラエティーに富んだフレーバーを揃えていることを示すようにしました」と桐山氏。カフェオレ以外のフレーバーも目立たせるようにしたことで、若年層の開拓は狙い通り進んだという。