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複業制度の先進企業に学ぶ、制度の導入や運用に必要な社内合意の重要性

2024.07.31

Q|複業を始める際は勤務時間や給与をどうする?

A|個別に相談して場合によっては勤務時間を減らして給与も下げる

サイボウズは、柔軟な労働条件の合意が可能で、それが複業の選択しやすさにつながっている。個別に相談・調整したうえで業務や給与の条件がマッチすれば、正社員(無期雇用)でも週3日や午前中のみの勤務もできるという。条件が折り合わない場合には、雇用形態を変更することもあるそうだ。

Q|複業をする人はどのような雇用形態が多い?

A|基本は個人事業として業務委託の仕事をする。正社員×正社員のケースは、ごくわずか

サイボウズの正社員(無期雇用)が複業を希望する場合、ほかの仕事を業務委託で行なうことがほとんど。趣味を生かしたカメラマン、技術誌への寄稿、不動産賃貸、講演活動など、複業の内容は多岐にわたる。

サイボウズ1つ目の理由は、正社員に求められる期待・責任の大きさ。1社だけでなく、複数の企業で背負うのは非常に難しい。2つ目の理由は、2社以上で雇用される場合の各種法令対応の煩雑さ。現在、割増賃金の計算については後から雇用した会社に対応が求められる。そのことを懸念する企業は多い。

Q|複業を認める制度の導入を検討したい企業は何から始めればいい?

A|社員の意見を聞き複業に対する共通認識を持つこと。業務委託での複業を認めるところから始めてみる

利益相反や情報漏洩などのリスクが不安視されがちな複業だが、会社としては社員がどんな複業をしたいのかを、ヒアリングすることから始めるといい。リスクが想定される場合は、現場のマネージャーを参加させ、何が問題なのかを議論してルールを作る。まずは業務委託や勤務時間以外の複業を認めるところから始めてみてもいいだろう。

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申請しやすい制度の採用で約1割の社員が複業経験有!

相談のしやすさなどを考慮し、直属の上司ではなく人事総務部に申請する制度を導入。就業規則の範囲内で複業を行なえるのか、人事総務部と本人が話し合う。正社員から業務委託や嘱託社員に変更するケースもあるそうだ。

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取材・文/小口 覺

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