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ビジネスシーンでは、『進捗状況』を共有する場面が多くあります。
共有のタイミングや方法が適切であれば、プロジェクトがより円滑に進みます。予期せぬ問題が生じても、うまく調整できるでしょう。進捗状況の必要性や共有のポイントを解説します。
進捗状況の意味と必要性とは?
日々の業務やプロジェクトを遅延なく進めていくには、定期的な進捗状況の共有が欠かせません。そもそも、『進捗状況』とは何を指すのでしょうか?
■業務の進み具合のこと
進捗状況(しんちょくじょうきょう)とは、物事の進み具合のことです。進捗には、『物事がはかどること』や『進み具合』などの意味があります。
組織では、複数の人が協力して業務を遂行します。とりわけ、納期があるプロジェクトの場合、日々の業務のちょっとした遅れが全体の遅延につながるため、進捗状況の管理が欠かせません。
進捗状況の共有は、口頭やメール、ビジネスチャットで行うのが一般的です。チームリーダーやプロジェクト担当者は、進捗状況に合わせてスケジュールを調整したり、人員の再配分を行ったりします。
■進捗状況の報告・確認の必要性
進捗状況の報告とは、マネジメントを行う人に業務の進み具合を報告することです。報告を受けた人は、業務計画と実際の業務との間にずれが生じていないかを確認します。
遅延が発生していた場合は、すぐにリカバリー策を講じられるため、プロジェクトが失敗するリスクを減らせるでしょう。ゴールまでの距離が明らかになることで、メンバーはモチベーションを維持できます。
進捗状況は、クライアントなどのステークホルダーにも共有されるのが一般的です。定期的な進捗状況の報告は、プロジェクト全体の透明性を高めるとともに、相手との信頼関係を強化します。
進捗状況について報告・確認する方法
進捗状況の報告・確認は、口頭・メール・ビジネスチャット・管理ツールで行われるケースが多いでしょう。具体的な方法とポイントを解説します。
■進捗状況の報告方法
進捗状況の報告は、マネジメントをする人の要請に基づいて行います。または、事前に決めたルールに従い、メンバーが定期的に報告をするのが一般的です。
文面で伝える際は、タスクごとに箇条書きにする方法がおすすめです。口頭で伝える際は、結論から先に述べましょう。余計な前置きは不要で、要件のみを分かりやすくまとめる必要があります。
マネジメントに対する要望を出すときは、その理由と具体的な提案を盛り込みましょう。例えば、人員を追加してほしいときは、「修正作業の発生で、タスクAが目標の7割程度しか進んでいないため、人員を一人追加してほしい」と伝えます。
■進捗状況の確認方法
メンバーに進捗状況を確認する際は、相手に失礼がないような言い方を意識します。高圧的な物言いだと、相手は自分が信用されていないような錯覚に陥るでしょう。
確認のタイミングは、早すぎず遅すぎずないことを心掛けなければなりません。確認するタイミングがあまりにも早かったり、頻度が多すぎたりすると、「期限まで日にちがあるのになぜ?」と、せかされたように感じます。
だからといって、納期直前に進捗状況を確認するのは大きなリスクがあるため、プロジェクトごとに頻度を決めておくのが望ましいでしょう。進捗状況の確認をするたびに、「納期は〇月〇日です」と最終的な期限日や納期を小まめに伝える配慮も大切です。
上司から部下へ進捗状況を確認する場合の例文
チームリーダーやプロジェクト担当者になると、メンバーに進捗状況の報告を要請する機会が増えます。気心の知れた同僚であっても、最低限のマナーやルールを守って伝えましょう。
■口頭での使い方や例文
部下やメンバーに進捗状況を確認する際、「あの件はどうなってる?」「どこまで進んでる?」という聞き方をする人がいます。抽象的な表現では、相手からも曖昧な答えしか返ってこないでしょう。
複数のプロジェクトが進行している場合は、どの業務の何を確認しているのかを明確に伝えなければなりません。以下が、進捗状況の聞き方の例です。
【例文】
- 各自、〇〇(業務名)に関する担当タスクの進捗状況を報告してください
- A社の〇〇(業務名)の進捗状況を把握したいので、週次レポートを提出してください
■メールでの使い方や例文
メールで進捗状況を確認する際は、ひと目で進捗状況の確認だと分かるような件名を付けます。『お疲れさまです』などのあいさつ件名は、開封してもらえない可能性が高く、ビジネスメールにはふさわしくありません。
重要な案件に関しては、件名の前に『緊急』や『重要』の文字を入れましょう。返信の必要性を伝えるため、『〇月〇日までにご返信ください』と返信の期限を明記するのもおすすめです。
【例文】
件名:【進捗確認】〇〇(業務名)の進行状況について
各位
お疲れさまです。
〇〇(業務名)の進行状況につきまして、ご報告をお願いいたします。
お忙しい中恐れ入りますが、スケジュールの調整のため、〇月〇日までにご返信ください。
〇〇(業務名)は、〇月〇日が最終締め切り日です。
本メールと行き違いになっている場合は、何卒ご容赦くださいませ。