転職が当たり前になっているいまの時代、より自分のキャリアやスキルに応じた、質の高い転職を目指したい。近年は、従来よりも自由度のある転職先を見つける環境が整ってきている。今回は、新しい転職サービスとともに、いまの時代にあった転職先探しのコツを専門家のインタビューの下、紹介したい。
より自分に合った転職先が見つけやすく
転職先探しの際には、自分に合った仕事を見つけるために、複数の求人サイトや転職エージェントを利用している人も多いのではないだろうか。しかし最近では、複数のサービスを利用しなくても、自分に合った求人が見つけやすくなってきている。例えば、こんな2つのサービスがある。
●求人配信プラットフォーム「Indeed PLUS」
今年1月、世界で現在60ヵ国以上に展開する求人サイト「Indeed」が新たに求人配信プラットフォーム「Indeed PLUS」の提供を開始した。「リクナビNEXT」「タウンワーク」など複数の連携求人サイトと、複数の採用管理システム(ATS)をつなぎ、求人情報が最適な求人サイトに自動で掲載される。
2024年5月末時点では「Indeed」に加え、「リクナビNEXT」と「タウンワーク」「フロム・エー ナビ」「とらばーゆ」「はたらいく」「リクナビ派遣」と連携している。将来的には、さまざまな企業の提供する複数の求人サイトとの連携を目指しているという。
ATSについては「Indeed」に加え、リクルートが提供する「Airワーク 採用管理」をはじめ45以上のATSと連携しており、今後も連携先を増やしていく予定だ。
求職者にとって、普段、利用している求人サイトがIndeed PLUSに参画していれば複数の情報ソースから適した求人情報が表示されるようになり、自分にマッチした求人を見つけやすくなった。
サービス開発の主なきっかけは、同社が行った調査結果から浮かび上がったニーズにあるという。
2023年9月に求職者1,200名と企業の採用担当者1,000名を対象に行った「企業の採用活動および求職者の仕事探しにおける課題調査」では、求職者のうち81.2%が「求人サービス毎に求人票に記載されている内容や見た目がバラバラで比較・検討するのが難しい」と回答した。
さらに91.0%が「(まだ見つけ出せていないが)もっと自分にあった求人情報があるのではないか」、88.5%が「自分がやりたい仕事が見つからない」と回答。
一方で80.7%が「転職・就職活動を通して自分の可能性を広げたい」、76.5%が「就職・転職中に自分にどんな仕事があっているかわからない」と回答している。
総じて、求職者は「自分の可能性を広げたい」と思いながらも、「自分にあった仕事の見落としがあるのではないか?」との不安にさいなまれていると推察される。
企業の採用担当者においても、調査結果から、「採用効率を上げながら、より多くの自社にあった求職者と高い精度で出会いたい」意向があることが推察された。
転職時期のタイミングも関係するため、必ずしも最適な求人が見つかるとは言い切れないが、Indeed PLUSを利用することで従来よりは見落としが減る可能性は高いといえる。