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仕事で重要な「内省」のメリットと3つの実践方法

2024.08.23

人材育成の手段として、内省(リフレクション)を取り入れる企業が増えています。

内省が習慣化すれば、ビジネスパーソンに必要なセルフコントロールや柔軟な対応力が身に付くでしょう。内省の意味やメリット、実践のポイントを解説します。

内省の意味とは?

ビジネスパーソン向けの本や自己啓発本の中では、『内省(ないせい)』という言葉がたびたび登場します。

近年は、組織や個人の成長を促すために、内省を取り入れた研修を行う企業も少なくありません。内省には、どのような意味があるのでしょうか?

■自分と向き合い、考えなどを省みること

内省とは、自分と向き合い、考えや行動などを省みることを意味します。

『省みる』とは、自分の行いの善しあしを振り返ることです。ある出来事に対して、なぜ自分はそう感じたのか、なぜそのような行動をしたのかを分析する行為といえるでしょう。

人材育成や人材開発の場面では、内省を『リフレクション(reflection)』と呼ぶのが一般的です。日々の業務から一時的に離れて自分を見つめ直し、そこで得た学びを将来に生かす手法として認識されています。

英語のreflectionには、内省・沈思・熟考などのほかに、水面や鏡に映った姿という意味があることも覚えておきましょう。

■内省と反省・内観の違い

内省の類語には、『反省』や『内観』があります。反省とは、自分の悪い部分を見つけて原因を探り、同じ過ちを繰り返さないように改善することです。

自分を省みる点は内省と共通していますが、悪い部分の振り返りとその改善に重きが置かれています。

内観は心理学用語の一つで、自己観察や内省と同義です。

あえて違いを挙げれば、内観は自分の意識・状態を観察する行為であるのに対し、内省は新たな学び・気付きを得るために自分を深く省みる行為です。

内省するメリット

パソコンに向かって考え事をする

(出典) pixta.jp

企業研修やビジネスシーンでは、内省の重要性が強調されています。

自らの考えや行動を振り返ることで、組織や個人にどのようなメリットがもたらされるのでしょうか?

■セルフコントロールが可能になる

周囲の環境や人間関係、起こった出来事などに影響を受け、感情が不安定になる人は少なくありません。

自分の中に望ましくない感情や衝動が起きたとき、それらを良い方向へと変えていく能力を『セルフコントロール(自己制御)』と呼びます。

内省が習慣化するにつれ、セルフコントロール力が徐々に高まるのがメリットです。仕事で大きな失敗をしたときでも感情を引きずることなく、原因や改善点を冷静に分析して、次の行動に生かせるようになるでしょう。

■柔軟な対応力が身に付く

現代は、未来予測が不可能なほど変化が激しい時代です。ビジネスパーソンには、変化への柔軟な対応力や既存の枠組みにとらわれない発想力が求められています。

しかしながら、ルーティン化された業務をこなすだけでは、変化への対応力はなかなか身に付きません。

内省は、自分の考えや経験を客観的に振り返るプロセスであるため、多くの学びや気付きが得られます。自分の強みや改善点に対して適切なアプローチをすれば、時代の変化に対応できる力が培われます。ノウハウの蓄積により、仕事のパフォーマンスも向上するでしょう。

■生産性が向上する

内省では、ある出来事に対して、自分はどう考えて、どのような行動を取ったのかを振り返ります。行動や結果が適切でなかった場合は、課題や改善点を見いだして、次につなげていかなければなりません。

内省を繰り返すことにより、個人に大きな成長がもたらされます。同じ過ちを犯さなくなり、より良い方法でスピーディーに業務をこなせるようになるのです。

社員一人一人が内省を習慣化させれば、企業全体の生産力が向上する可能性があります。主体性や自律性も強化され、組織力が底上げされるでしょう。

内省の実践方法

ノートにメモをとるビジネスパーソン

(出典) pixta.jp

内省はそれぞれが自分の内面に向き合う個人的な行為ですが、より良い結果につなげるためのやり方があります。実践方法の手順とポイントを見ていきましょう。

STEP1:事実をリストアップする

内省の最初のステップは、事実のリストアップです。過去に起こった出来事に対し、自分は何を考えて、どのような行動を取ったかを振り返ります。より詳細な振り返りをするために、以下のような問いかけをするとよいでしょう。

  • 状況における自分の役割は何か
  • 相手の目にはどう映っているか
  • 経験から何を学んだか
  • 自分の協力者はいるか

振り返りを行うときのポイントは、自分の主観や感情をいったん排除して、事実だけを抽出することです。事実と感情を切り分けることで、より客観的な視点が得られます。

STEP2:原因を明らかにする

続いて、その出来事がなぜ起こったのかという『原因』を明らかにしましょう。例えば、プロジェクトが失敗に終わった場合、失敗に至るまでのプロセスに着目します。

その出来事が起きた環境や関わった人物、自分が取った行動などをつぶさに思い出し、メモに書き留めていきます。骨の折れる作業ですが、根本的な原因がクリアにならなければ、同じ失敗を繰り返してしまうでしょう。

内省は、必ずしも失敗をしたときにだけに行うものではありません。プロジェクトがうまくいった際は、プロセスを分解して、成功の要因を探っていきます。

STEP3:改善のための具体策を考える

次のステップは、原因に対する改善策の洗い出しです。失敗した出来事については、どのような対策を取れば、同じような失敗が繰り返されないのかを考えます。成功した出来事に対しては、より良くするためにどのような改良を加えるべきかを考えましょう。

集団で内省を行う場合は、ディスカッションが効果的です。グループワークなら、一人では思い浮かばないようなアイデアが生まれます。

個人での内省は、ただ記憶をたどるだけになりがちなので、メモに書き出すことをおすすめします。視野が広がりにくいときは、先輩や同僚に意見を求めても構いません。

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