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次は日本で勝負!元サッカー日本代表・岩政大樹がハノイFCで取り戻した自信

2024.07.12

41歳で常勝軍団・鹿島の指揮官に。1年半で退任し、ベトナムへ

ハノイFCの指揮官として成果を挙げた元日本代表・岩政大樹(本人提供)

 2010年南アフリカワールドカップ(W杯)から3大会キャプテンを務めた長谷部誠が昨季限りで引退し、フランクフルトU-21のコーチとして新たなスタートを切ったように、”南ア世代”の多くが指導者に転身しつつある。

 彼らとともに南アに赴き、2018年に現役に区切りをつけた岩政大樹もいち早くコーチの道に進み、2022年夏から1年半にわたって古巣の名門・鹿島アントラーズで指揮を執った。

 前任者のレネ・ヴァイラー(現セルヴェット監督)の退任によって、コーチから昇格した時点でまだ40歳。他のプロクラブでの監督経験なしということで、異例中の異例ではあった。そこから2022年はJ14位、2023年は5位という結果を残したものの、つねにタイトルを求められる常勝軍団では無冠は許されなかった。結局、昨年12月頭に退任が発表され、彼は完全フリーの状態に陥ったのだ。

「41歳の自分がいきなり放り出された形になり、その後の人生をどうしていくべきかを真剣に悩みました。そのタイミングだと多くのJリーグクラブが翌シーズンの体制を固めていて、自分の入る余地は少なかった。コーチからやり直してもう1回、監督を目指す道もあるとは考えましたけど、自分はできるなら監督を続けていきたいと思ったんです。

 考えを巡らせながら1か月が経過し、迎えた今年1月、ベトナム・スーパーリーグ(1部)のハノイFCからオファーが届きました。東南アジアのサッカー界は目下、目覚ましい成長を遂げていて、物凄く勢いもある。投資にも積極的で、海外からも優れたタレントを呼んでいて、日本人監督のニーズも高まっていました。

 これまではJリーグで長く指揮を執った後、東南アジアに出ていく例はありましたけど、僕のくらいの年齢の指導者が行ったケースは皆無に近かった。国内で狭いパイを争うより、外に出てマーケットを広げた方が今後の日本人指導者のためにもなるという考えに至り、僕はハノイに行くことを決めました」と岩政は就任までの経緯を語る。

ベンチ前から選手たちに声をかける岩政(本人提供)

異国で指導するに当たって、最初に行った「提示する情報の絞り込み」

 彼が東南アジア行きを決断できたのは、2014年にタイ1部・BECテロ・サーサナで1年間、選手としてプレーした経験によるところも大だったという。高温多湿の東南アジアはピッチ状態が悪く、スタジアムの環境もいいとは言えない。規律を守ることが苦手という国民性もあるし、サッカーにおいてもハードワークや献身性を徹底できなかったりする。そんな異国で若かりしチャナティップ(パトゥム)らにアドバイスを送りながら、カップ戦制覇を経験したことが、岩政の自信になっていたのだ。

「タイで過ごした10年前の日々は間違いなく自分の背中を押してくれました。ただ、選手と監督は全然違うし、チーム全体を見てマネージメントしていかなければいけない。鹿島で指導した経験も踏まえつつ、どうしたらベトナムの選手たちをまとめ上げ、志向するサッカーへと導くことができるのか。それを思い巡らせながら、ハノイへ飛びました」と彼は言う。

 新天地の指揮官となった岩政が最初に着手したのは、「提示する材料を絞り込み、限定的にすること」。今のサッカー界は戦術論が活発で、情報が溢れかえっている。鹿島に赴く前に解説者として活動していた彼の言語化能力の高さは誰もが認めるところだが、選手にとっては多すぎる情報が逆に足かせにならないとも限らない。

 特に海外では通訳も入るため、「伝える」という作業の難易度がより上がる。そこで岩政は教える内容を精査し、削り込むことを徹底。よりシンプルワードで伝えていくように努めたというのだ。

鹿島時代からメディアの前で笑顔を絶やさなかった指揮官・岩政(本人提供)

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