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交渉力という言葉を見聞きしたことはあるだろうか。交渉は物事を取り決めるための話し合いを指し、交渉力は交渉をうまく進めるためのスキルを意味する。今回は、交渉力がある人の特徴やトレーニング方法を解説する。ビジネスシーンで重宝するスキルのため、交渉に臨む機会が多い方はぜひ参考にしてほしい。
交渉力とは
「交渉力」はよく耳にする言葉ではあるものの、詳細な説明は難しく感じるかもしれない。まずは、交渉力の具体的な意味を再確認しよう。
■交渉力の意味
交渉力は交渉を円滑に進めるスキルを意味する言葉。具体的には、相手と話し合う中で、互いが納得できる結果にたどり着くための調整力を指す。
交渉力と聞くと、相手を言葉で打ち負かすイメージを持つ方もいるかもしれないが、双方が納得できる結果を生み出すことが重要。交渉力を高めれば、ビジネスにおける関係者間の対立やトラブルを防ぎつつ、相手からの信頼も勝ち取ることができるだろう。
■折衝力との違い
交渉力を言い換える際に使用される「折衝力」。同じ意味を持つ言葉のようだが、交渉力と折衝力は、双方の利害関係が一致しているかに違いがある。交渉力は両者が利益を追求できる関係にあるとき、互いの利益が大きくなるように努めることを目的として発揮する。
対して折衝力は、主に互いの利害関係が対立している場合に使用する。つまり、一方の利益を追求することが、もう一方の不利益につながる関係だ。利害が対立する中でも互いの妥協点を見いだし、譲歩できるラインを決定する力を折衝力と呼ぶ。
■交渉力の英語表現
「交渉」の英語表現は「negotiation」。また、価格や労働条件などの交渉については「bargaining」と表現することも可能だ。
「交渉力」を表現したい場合には、「ability to negotiate」「negotiation skills」「bargaining ability」といった表現を使用するのが良いだろう。
【例文】
His negotiating skills are the best on the team.
(彼の交渉力はチーム随一だ)
交渉力がある人の特徴
次に、交渉力がある人の特徴を紹介する。交渉力の向上を目指す際には、以下で紹介するポイントを意識しよう。
■相手の希望を上手にくみ取れる
交渉力がある人の特徴としてまず挙げられるのは、相手の希望を上手にくみ取れること。交渉の場では、自分が希望する内容があるように、相手にも必ず希望する内容や条件が存在する。
相手の希望を意識すれば、相手が求める結果を実現するための提案を行い、交渉をスムーズに進められる。自分にとってのメリットだけを考えるのではなく、相手のメリットもくみ取って、双方にメリットがある結果を追求することが大切だ。
■相手の言葉に流されない
交渉中に相手の言葉に流されないことも、交渉力がある人の特徴。交渉においては相手の要望を叶えることも重要だが、そのために自分の要望を犠牲にしては本末転倒だ。
相手に要求されたことでも、自分が譲れないポイントであればしっかりと却下する。要求をすべて受け入れてしまうと、相手の望むがままに交渉が進んでしまうこともあるため注意しよう。
■事柄の優先順位をつけている
物事の優先順位をつけていることも、交渉力がある人の特徴だ。相手の言葉に流されないためにも、事前に優先順位をつけ、自分が譲れない事柄を把握しておくことが重要だ。
優先順位をつけるには重要性やコスト、リスクなど、さまざまな要素を考慮する必要があり、交渉中に考えることは難しい。そのため、事柄の優先順位をつけて交渉に臨める人は、事前準備ができている人ともいえるだろう。
交渉力のトレーニング方法
職場や私生活で調整役になることが多い方は、交渉力を鍛えたいこともあるだろう。ここからは、交渉力のトレーニング方法を紹介する。
■交渉の基本を学ぶ
交渉力を鍛えるためには、交渉の基本を学んでおく必要がある。まず、交渉は双方が協力することで成り立つ。さらに、一定の譲歩が必要になると覚えておこう。
そして、両者が納得のいく結果を得るための、新しい結論を導き出すことを意識しよう。そのためには自分の要求だけでなく、相手の要求やその背景についての情報収集も必要になる。
■論理的な思考を習慣づける
論理的な思考を習慣づけることも、交渉力を高めるために欠かせない要素。自分の感想や感覚に任せた意見ではなく、計算されたデータに基づく交渉をすることが重要だ。
交渉で相手に納得してもらうには、客観性のある論理が必要。論理的な思考は一朝一夕では身につかないため、日ごろから意識することが重要だ。
■実践形式で模擬訓練を行う
交渉力のトレーニングには、実践形式が有効。例えば、社外の関係者と交渉を行う前に、チーム内で交渉内容を想定した模擬訓練を行うと良いだろう。お互いに良かった点や納得できなかった点をフィードバックし合うことで、本番に向けてより効果的な準備ができるはずだ。
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。
文/編集部